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May 31, 2007 Vol. 356 No. 22

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坐骨神経痛に対する手術と長期保存療法の比較
Surgery versus Prolonged Conservative Treatment for Sciatica

W.C. Peul and Others

背景

坐骨神経痛を発症し 6 週間以内に軽快しない患者には椎間板手術が施行されることが多いが,手術の至適時期は明らかにされていない.

方 法

6~12 週間にわたり重度の坐骨神経痛を呈する患者 283 例を,早期手術または必要に応じて手術を行う長期保存療法に無作為に割り付けた.主要転帰は,無作為化後 1 年間のローランド障害質問票(Roland Disability Questionnaire)スコア,下肢痛に関するビジュアルアナログスケール(visual-analogue scale)スコア,患者による主観的回復の報告とした.intention-to-treat の原則に従った反復測定分析により,両群の転帰の曲線を評価した.

結 果

早期手術に割り付けられた 141 例のうち,125 例(89%)が平均 2.2 週後に顕微鏡下椎間板切除術を受けた.保存療法に割り付けられた 142 例では,55 例(39%)が平均 18.7 週後に同手術を受けた.最初の 1 年間における障害スコアに全体的な有意差はみられなかった(P=0.13).早期手術に割り付けられた患者では,下肢痛がより速やかに軽減した(P<0.001).また,これらの患者の報告では主観的回復がより早かった(ハザード比 1.97,95%信頼区間 1.72~2.22,P<0.001).しかし,追跡調査 1 年後の主観的回復率は,両群ともに 95%であった.

結 論

早期手術に割り付けられた患者と,必要に応じて手術を受ける保存療法に割り付けられた患者とで,1 年の時点での成績は同等であった.しかし,疼痛軽減と主観的回復の速度は,早期手術に割り付けられた患者のほうが早かった.(Current Controlled Trials 番号:ISRCTN26872154)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 356 : 2245 - 56. )