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May 31, 2007 Vol. 356 No. 22

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腰椎変性すべり症に対する外科的治療と非外科的治療の比較
Surgical versus Nonsurgical Treatment for Lumbar Degenerative Spondylolisthesis

J.N. Weinstein and Others

背景

脊柱管狭窄を伴う腰椎変性すべり症の管理については議論の余地がある.外科的治療が広く用いられているが,非外科的治療と比較した有効性は比較試験で実証されていない.

方 法

12 週以上症状が持続し,画像診断で変性すべり症が確認された米国 11 州の 13 施設の手術対象者に,無作為化コホートまたは観察コホートへの登録を勧めた.治療は,標準的な減圧椎弓切除術(固定術の実施の有無を問わず)または通常の非外科的治療とした.主要評価項目は,6 週間,3 ヵ月,6 ヵ月,1 年,2 年の時点における 36 項目の健康調査票(Medical Outcomes Study 36-Item Short-Form General Health Survey;SF-36)の身体的疼痛スコアと身体機能スコア(100 点尺度,スコアが高いほど症状の重症度が低い),および修正オスウェストリー障害指標(Oswestry Disability Index)(100 点尺度,スコアが低いほど症状の重症度が低い)とした.

結 果

304 例を無作為化コホート,303 例を観察コホートに登録した.2 群のベースラインの患者背景は同様であった.1 年の時点のクロスオーバー率は,無作為化コホートで高かったが(各方に約 40%),観察コホートでは中程度であった(外科的治療へのクロスオーバー 17%,非外科的治療へのクロスオーバー 3%).無作為化コホートの intention-to-treat 解析では,主要評価項目に対する統計学的に有意な影響は認められなかった.2 つのコホート集団を合せた as-treated 解析では,外科的治療に優位な結果が,3 ヵ月の時点から有意に認められた.これは 1 年目に増加し,2 年目にわずかに減少した.2 年の時点での治療効果は,身体的疼痛スコアで 18.1(95%信頼区間 [CI] 14.5~21.7),身体機能スコアで 18.3(95% CI 14.6~21.9),オスウェストリー障害指標で-16.7(95% CI -19.5~-13.9)であった.いずれの治療でも,有害所見はほとんど認められなかった.

結 論

交絡の可能性があるベースライン因子を慎重に調整した as-treated 解析による非無作為化比較では,変性すべり症と脊柱管狭窄症で外科的治療を受けた患者は,非外科的治療を受けた患者に比べ,2 年間の期間に身体の疼痛と機能が大幅に改善した.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00000409)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 356 : 2257 - 70. )