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January 18, 2007 Vol. 356 No. 3

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マンモグラフィ濃度と乳癌のリスクおよび乳癌の発見
Mammographic Density and the Risk and Detection of Breast Cancer

N.F. Boyd and Others

背景

マンモグラフィ上の高濃度は,乳癌の高いリスクと関連があり,マンモグラフィによる癌の発見を困難にする.しかし,癌の発見法において濃度がリスクに及ぼす影響は不明である.

方 法

スクリーニングを受けた集団で,マッチさせた症例と対照のペア 1,112 組を対象に,3 つのコホート内症例対照研究を実施した.ベースラインのマンモグラムにおける濃度のパーセンテージと乳癌リスクとの関連を,癌の発見法,スクリーニング開始からの時間,年齢に基づいて検討した.

結 果

乳癌のリスクは,マンモグラム上の濃度が 10%未満の女性と比べて,濃度が 75%以上の女性では,スクリーニングで発見された場合(オッズ比 3.5,95%信頼区間 [CI] 2.0~6.2),あるいはスクリーニング検査陰性後 12 ヵ月以内に発見された場合(オッズ比 17.8,95% CI 4.8~65.9)にかかわらず高かった(オッズ比 4.7,95% CI 3.0~7.4).乳癌のリスク増加は,スクリーニングと他の方法いずれで発見された場合も研究参加から 8 年以上持続し,高齢女性より若年女性で高かった.年齢中央値 56 歳未満の女性では,乳癌全体の 26%とスクリーニング検査陰性後 12 ヵ月以内に検出された癌の 50%は,マンモグラム上の濃度が 50%以上であることに起因すると考えられた.

結 論

マンモグラフィ上の高濃度は,スクリーニング時あるいはスクリーニング検査間に発見される乳癌のリスクと強く関連した.相当数の乳癌がこの危険因子に起因している可能性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 356 : 227 - 36. )