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June 28, 2007 Vol. 356 No. 26

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妊娠中の選択的セロトニン再取込み阻害薬の使用と先天異常のリスク
Use of Selective Serotonin-Reuptake Inhibitors in Pregnancy and the Risk of Birth Defects

S. Alwan and Others

背景

ヒトにおいて,妊娠中の選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)の安全性に関する情報は少ない.妊娠中の SSRI の使用に関連する先天性心奇形のリスクについて,懸念が生じている.

方 法

全米先天異常予防研究(National Birth Defects Prevention Study)から,1997~2002 年に出生した重大な先天異常をもつ乳児 9,622 例と,対照乳児 4,092 例に関するデータを入手した.患児は米国 8 州の先天異常サーベイランスシステムによって確認し,対照乳児は同じ地域から無作為に選んだ.母親に対し,妊娠前および妊娠中の服用薬を含む,可能性のある危険因子への曝露について標準化された電話面接を行った.SSRI への曝露は,受胎前 1 ヵ月~受胎後 3 ヵ月のあいだに SSRI の投与を受けたことと定義した.先天異常を 26 の分類および下位分類に割り付けた.

結 果

妊娠初期の全期間において,母親の SSRI の使用と,先天性心奇形やその他大部分の先天異常分類または下位分類とのあいだに,有意な関連は認められなかった.母親の SSRI の使用は,無脳症(患児 214 例,曝露 9 例;補正オッズ比 2.4;95%信頼区間 [CI] 1.1~5.1),頭蓋骨癒合症(患児 432 例,曝露 24 例;補正オッズ比 2.5;95% CI 1.5~4.0),臍ヘルニア(患児 181 例,曝露 11 例;補正オッズ比 2.8;95% CI 1.3~5.7)と関連していた.

結 論

妊娠初期における母親の SSRI の使用は,先天性心奇形やその他大部分の先天異常分類のリスクの有意な増加とは関連していなかった.SSRI の使用と 3 種類の先天異常とのあいだに関連が認められたが,絶対リスクは小さく,これらの観察結果はほかの研究で確認する必要がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 356 : 2684 - 92. )