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January 4, 2007 Vol. 356 No. 1

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ドパミン作動薬と心臓弁逆流のリスク
Dopamine Agonists and the Risk of Cardiac-Valve Regurgitation

R. Schade and Others

背景

症例報告や心エコー検査に基づく研究から,パーキンソン病や下肢静止不能症候群の治療に使用される麦角系ドパミン作動薬のペルゴリドとカベルゴリンは,心臓弁逆流のリスクを上昇させる可能性があることが示唆される.

方 法

英国一般診療研究データベース(United Kingdom General Practice Research Database)のデータを用いて,1988~2005 年にパーキンソン病治療薬を処方された 40 歳から 80 歳までの患者,11,417 例から成る地域ベースのコホートを同定した.コホート内で新たに心臓弁逆流と診断された患者それぞれに対して,年齢,性別,コホートへの登録年についてマッチさせた対照患者を同コホートから最大 25 例選び,コホート内症例対照研究による解析を行った.種々のドパミン作動薬の使用に関する心臓弁逆流の発生率比を,条件付きロジスティック回帰分析で推定した.

結 果

新たに心臓弁逆流と診断された患者 31 例のうち,6 例がペルゴリドに,6 例がカベルゴリンに最近曝露していた.19 例は,過去 1 年以内にいかなるドパミン作動薬にも曝露してなかった.心臓弁逆流の発生率は,ペルゴリドの最近の使用(発生率比 7.1,95%信頼区間 [CI] 2.3~22.3)およびカベルゴリンの最近の使用(発生率比 4.9,95% CI 1.5~15.6)により上昇したが,ほかのドパミン作動薬の使用では上昇しなかった.

結 論

この研究において,ドパミン作動薬のペルゴリドとカベルゴリンの使用は,新たに心臓弁逆流と診断されるリスクの上昇と関連していた.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 356 : 29 - 38. )