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March 1, 2007 Vol. 356 No. 9

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遺伝子組換え E 型肝炎ワクチンの安全性と有効性
Safety and Efficacy of a Recombinant Hepatitis E Vaccine

M.P. Shrestha and Others

背景

E 型肝炎ウイルス(HEV)はウイルス性肝炎の重要な原因である.無作為化第 2 相二重盲検プラセボ対照試験において,HEV 遺伝子組換え蛋白(rHEV)ワクチンの安全性と有効性を評価した.

方 法

ネパールにおいて,HEV 感染に対して感受性を示す健常成人 2,000 例を調査した.これらの被験者を,rHEV ワクチンとプラセボのいずれかを 0 ヵ月目,1 ヵ月目,6 ヵ月目に計 3 回接種する群に無作為に割り付けた.急性肝炎と有害事象を特定するために,能動的サーベイランス(病院サーベイランスを含む)を実施した.主要エンドポイントは,3 回のワクチン接種後の E 型肝炎の発症とした.

結 果

計 1,794 例(ワクチン群 898 例,プラセボ群 896 例)が 3 回の接種を受けた.接種を受けたコホート全体に対して,中央値 804 日の追跡調査を行った.3 回のワクチン接種後,69 例に E 型肝炎が発症したが,うち 66 例はプラセボ群であった.ワクチンの有効性は 95.5%であった(95%信頼区間 [CI] 85.6~98.6).初回の接種後に E 型肝炎を発症した 87 例全例を含む intention-to-treat 解析では,9 例がワクチン群で,ワクチンの有効性は 88.5%であった(95% CI 77.1~94.2).各回のワクチン接種後 8 日間に,接種部位の所見と全身症状の解析のため無作為に選択されたサブグループ(反応性サブグループ)の被験者では,ワクチン群で接種部位の痛みが多く報告された点を除き,有害事象を発現した被験者の割合は両群で同等であった(P=0.03).

結 論

rHEV ワクチンは,高リスク集団における E 型肝炎の予防に有効であった.
(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00287469)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 356 : 895 - 903. )