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March 1, 2007 Vol. 356 No. 9

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バンコマイシン誘発性免疫性血小板減少症
Vancomycin-Induced Immune Thrombocytopenia

A. Von Drygalski and Others

背景

バンコマイシンが血小板減少症の原因として考えられることはほとんどなく,この合併症が免疫機構によって引き起されることを示す証拠もわずかしかない.血小板減少症がバンコマイシン依存性抗体により誘発されるのかどうかを決定するため,バンコマイシン投与を受けている患者を対象に研究を行った.

方 法

5 年間の期間中に,バンコマイシン誘発性血小板減少症の臨床的疑いで検査のため紹介されてきた患者において,バンコマイシン依存性の血小板反応性抗体を同定し,特徴を調べた.患者に関する臨床データを紹介元の医師から得た.

結 果

IgG クラス,IgM クラス,またはその両方の薬物依存性血小板反応性抗体が 34 例で同定され,うち 29 例から臨床追跡データが得られた.これらの患者の最低血小板数の平均は 13,600/mm3 で,10 例で重度の出血が発生した(34%).バンコマイシンの投与中止後,生存していた 26 例すべてで血小板数がベースライン値に回復した.15 例では,ほかに考えられる血小板減少症の原因を検討するあいだ,投与を 1~14 日間継続した.バンコマイシンを投与されていても血小板減少症を発症しなかった 25 例では,バンコマイシン依存性抗体は検出されなかった.

結 論

バンコマイシン誘発性免疫性血小板減少症の患者では,重度の出血が発生する可能性がある.この抗菌薬投与を受け血小板減少症を発症した患者でバンコマイシン依存性抗血小板抗体が検出されたことと,投与を受けても血小板数が安定していた患者で抗体が検出されなかったことは,この抗体が血小板減少症の原因であることを示している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 356 : 904 - 10. )