September 20, 2007 Vol. 357 No. 12
全身性強皮症と関連した CTGF プロモーター領域における多型
A Polymorphism in the CTGF Promoter Region Associated with Systemic Sclerosis
C. Fonseca and Others
全身性強皮症は,生命にかかわる自己免疫疾患であり,特異的自己抗体の存在と,皮膚および主要な臓器の線維化を特徴とする.
2 群に属する被験者 1,000 例において,結合組織成長因子(CTGF)遺伝子のプロモーター領域における多型(G-945C)の遺伝子型決定を行った.第 1 群は全身性強皮症患者 200 例と対照者 188 例から成り,第 2 群は全身性強皮症患者 300 例と対照者 312 例から成っていた.両群を合わせると英国の全身性強皮症患者の約 10%に相当した.われわれは,多型が CTGF の転写に及ぼす影響を検討した.
両群とも,GG 遺伝子型は全身性強皮症患者のほうが対照者より有意に高頻度であり,両群の患者全体のオッズ比は 2.2 であった(95%信頼区間 [CI] 1.5~3.2,傾向性の P<0.001).両群の全身性強皮症患者全体での解析から,G 対立遺伝子の同型接合性と,抗トポイソメラーゼ I 抗体の存在(オッズ比 3.3,95% CI 2.0~5.6,P<0.001)および間質性肺炎(オッズ比 3.1,95% CI 1.9~5.0,P<0.001)とのあいだに,それぞれ有意な関連が示された.シトシンのグアニンによる置換により,転写制御因子 Sp1 と Sp3 の結合部位が形成されることを観察した.C 対立遺伝子は Sp3 に対する親和性が高く,転写活性の大幅な減弱と関連する.クロマチン免疫沈降法により,同領域で結合する Sp1 と Sp3 の比の顕著なシフトが明らかになり,in vivo での機能的関連性が証明された.
G-945C 置換は CTGF 転写を抑制し,-945G 対立遺伝子は全身性強皮症に対する感受性と有意に関連している.