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October 18, 2007 Vol. 357 No. 16

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子宮頸癌に対するヒトパピローマウイルス DNA のスクリーニング検査とパパニコロースクリーニング検査の比較
Human Papillomavirus DNA versus Papanicolaou Screening Tests for Cervical Cancer

M.-H. Mayrand and Others

背景

子宮頸癌のスクリーニングにおいて,発癌性ヒトパピローマウイルス(HPV)DNA 検査がパパニコロー(Pap)検査より優れているかどうかを検討するため,2 つの方法を比較する無作為化試験を実施した.

方 法

カナダのモントリオールとセントジョンズにおいて,30~69 歳の女性を対象に,高悪性度の子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)を同定するためのスクリーニング法として,米国食品医薬品局(FDA)が承認した検査法を用いた HPV 検査と,従来の Pap 検査とを比較した.Pap 検査の結果に異常が認められた女性,HPV 検査陽性(高リスク HPV DNA が 1 pg/mL 以上)の女性にはコルポスコピーと生検を行い,HPV 検査陰性の女性の無作為抽出集団にも同様の手技を行った.感度と特異度の推定値は,検証バイアスについて補正した.

結 果

計 10,154 例の女性を検査に無作為に割り付けた.女性全員に対し,無作為に割り付けた順序で,両方の検査を同時に実施した.グレード 2 または 3 の CIN に対する感度は,HPV 検査で 94.6%(95%信頼区間 [CI] 84.2~100),Pap 検査で 55.4%であった(95% CI 33.6~77.2,P=0.01).特異度は,HPV 検査で 94.1%(95% CI 93.4~94.8),Pap 検査で 96.8%であった(95% CI 96.3~97.3,P<0.001).検査の順序による成績への影響はなかった.両検査を併用した場合の感度は 100%,特異度は 92.5%であった.Pap 検査あるいは HPV 検査についてトリアージを行った結果,いずれかの検査を単独で行った場合よりもコルポスコピーを指示された患者は少なかったが,感度が低下した.有害事象は報告されなかった.

結 論

HPV 検査は,Pap 検査と比較して,CIN を検出するうえでより高い感度を有する.(Current Controlled Trials 番号:ISRCTN57612064)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 357 : 1579 - 88. )