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November 15, 2007 Vol. 357 No. 20

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グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症に対するテリパラチドとアレンドロネートの比較
Teriparatide or Alendronate in Glucocorticoid-Induced Osteoporosis

K.G. Saag and Others

背景

ビスホスホネート療法は,現在,グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症に対する予防と治療の標準療法である.グルココルチコイドの長期投与を受けており,骨折リスクの高い患者に対する蛋白同化物質療法の研究は行われていない.

方 法

グルココルチコイド(プレドニゾン当量として 1 日 5 mg 以上)の投与を 3 ヵ月以上受けている骨粗鬆症の男女 428 例(年齢 22~89 歳)を対象に,テリパラチド(teriparatide)とアレンドロネートを比較する 18 ヵ月間の無作為化二重盲検対照比較試験を行った.計 214 例の患者に 1 日 1 回 20 μg のテリパラチドを投与し,計 214 例の患者に 1 日 1 回 10 mg のアレンドロネートを投与した.主要転帰は,腰椎における骨塩密度の変化とした.副次的転帰は,全股関節における骨塩密度の変化,骨代謝マーカーの変化,骨塩密度の変化が認められるまでの期間,骨折の発生率,および安全性とした.

結 果

最終評価で,腰椎の平均(±SE)骨塩密度の増加は,テリパラチド群のほうがアレンドロネート群よりも大きかった(7.2±0.7% 対 3.4±0.7%,P<0.001).両群間の差は,6 ヵ月の時点までに有意に達した(P<0.001).12 ヵ月の時点における全股関節の骨塩密度の増加は,テリパラチド群のほうが大きかった.新たな脊椎骨折の発生は,テリパラチド群のほうがアレンドロネート群よりも少なかった(0.6% 対 6.1%,P=0.004).脊椎以外の骨折の発生率は両群で同程度であった(5.6% 対 3.7%,P=0.36).血清カルシウム高値が 1 回以上認められた患者の数は,テリパラチド群のほうが有意に多かった.

結 論

骨折リスクの高い骨粗鬆症患者において,骨塩密度の増加は,アレンドロネート投与患者よりもテリパラチド投与患者のほうが大きかった.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00051558)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 357 : 2028 - 39. )