November 22, 2007 Vol. 357 No. 21
再発・難治性多発性骨髄腫に対するレナリドミドとデキサメタゾンの併用投与
Lenalidomide plus Dexamethasone for Relapsed or Refractory Multiple Myeloma
M. Dimopoulos and Others
レナリドミド(lenalidomide)はサリドマイドの構造類似体で,生物活性は類似しているがより強力である.このプラセボ対照第 3 相試験では,再発または難治性の多発性骨髄腫の治療における,レナリドミド+デキサメタゾン併用投与の有効性を調べた.
多発性骨髄腫に対する治療をこれまでに 1 種類以上受けたことがある患者 351 例のうち,176 例を経口レナリドミド 25 mg 投与群に,175 例をプラセボ群に無作為に割り付け,28 日サイクルの 1~21 日目に投与した.さらに,全患者に対し,最初の 4 サイクルは経口デキサメタゾン 40 mg を 1~4 日目,9~12 日目,17~20 日目に投与し,4 サイクル終了後は 1~4 日目にのみ投与した.患者に疾患増悪あるいは容認できない毒性が発現するまで,試験を継続した.主要エンドポイントは無増悪期間とした.
レナリドミド+デキサメタゾン併用群(レナリドミド群)の患者は,プラセボ+デキサメタゾン併用群(プラセボ群)の患者に比べて無増悪期間が有意に長かった(中央値 11.3 ヵ月 対 4.7 ヵ月,P<0.001).完全寛解または部分寛解は,レナリドミド群の 106 例(60.2%),プラセボ群の 42 例(24.0%,P<0.001)で得られ,完全寛解率はそれぞれ 15.9%,3.4%であった(P<0.001).全生存期間はレナリドミド群で有意に改善した(死亡のハザード比 0.66,P=0.03).レナリドミド群の 10%以上で発現したグレード 3 または 4 の有害事象は,好中球減少(29.5% 対 プラセボ群 2.3%),血小板減少(11.4% 対 5.7%),静脈血栓塞栓症(11.4% 対 4.6%)であった.
再発・難治性多発性骨髄腫に対して,レナリドミド+デキサメタゾンの併用投与は,高用量デキサメタゾン単独投与に比べて有効性が高かった.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00424047)