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December 27, 2007 Vol. 357 No. 26

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除細動器治療を回避するための予防的カテーテルアブレーション
Prophylactic Catheter Ablation for the Prevention of Defibrillator Therapy

V.Y. Reddy and Others

背景

植込み型除細動器(ICD)は,心室頻脈性不整脈を呈する患者において,突然死を予防するための治療の中心である.しかし,ICD による電気ショックは苦痛を伴い,臨床的うつ病にいたる可能性があるうえ,不整脈による死亡を完全に防ぐとは限らない.不整脈の原因となる心室組織の予防的高周波カテーテルアブレーションにより ICD 治療の頻度が低下するかどうかを検討するため,この無作為化試験を計画した.

方 法

心筋梗塞の既往を有する適格患者に,特発性心室頻拍または特発性心室細動に対する除細動器の植込みを行った.抗不整脈薬は投与しなかった.患者を,除細動器植込み単独と,除細動器植込みと補助的カテーテルアブレーションの併用のいずれかに無作為に割り付けた(各群 64 例).アブレーションは,基質へのアプローチにより行った.これは,心筋の瘢痕をマッピングし,主に洞調律下で焼灼する方法である.主要エンドポイントは,適切な ICD 治療を伴わない生存とした.

結 果

アブレーション後 30 日の死亡率は 0%であり,平均(±SD)22.5±5.5 ヵ月の追跡調査期間における心室機能および機能分類に有意な変化はみられなかった.除細動器植込み単独群の 21 例(33%)と,除細動器植込み+アブレーション群の 8 例(12%)が,適切な ICD 治療(抗頻脈ペーシングまたは電気ショック)を受けた(アブレーション群のハザード比 0.35,95%信頼区間 0.15~0.78,P=0.007).これらの患者のうち,対照群の 20 例(31%)とアブレーション群の 6 例(9%)に電気ショックが与えられた(P=0.003).アブレーション群の死亡率は,対照群と比較して上昇しなかった(9% 対 17%,P=0.29).

結 論

この無作為化試験では,突然死の二次予防のため ICD の植込みを行った心筋梗塞の既往がある患者において,基質ベースの予防的カテーテルアブレーションにより ICD 治療の頻度が低下した.(Current Controlled Trials 番号:ISRCTN62488166)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 357 : 2657 - 65. )