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August 30, 2007 Vol. 357 No. 9

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心臓移植待機患者に対する連続流人工心臓の使用
Use of a Continuous-Flow Device in Patients Awaiting Heart Transplantation

L.W. Miller and Others

背景

左心補助人工心臓の使用は,難治性心不全患者に対する治療法として認められているが,現在の拍動流型人工心臓には限界があり(ポンプの大きさや,機械の長期耐久性の限界など),この技術の広範な利用を阻んでいる.連続流ポンプは,これらの制限のいくつかを克服するために開発された新しいタイプの左心補助人工心臓である.

方 法

対照群を同時には設定しない前向き多施設共同試験において,心臓移植の待機リストに載っている末期心不全患者 133 例に対して,連続流ポンプの植込みを行った.主要転帰は,180 日の時点における,心臓移植を受けた患者,心機能が改善した患者,移植に適格のまま機械による補助を受けている患者の割合とした.心機能の状態および QOL も評価した.

結 果

主要転帰は,100 例(75%)で認められた.補助期間の中央値は 126 日間であった(1~600 日).補助期間中の生存率は,6 ヵ月の時点で 75%,12 ヵ月の時点で 68%であった.3 ヵ月の時点で,治療は,心機能(ニューヨーク心臓協会 [New York Heart Association] 分類ならびに 6 分間歩行試験の結果による),および QOL(Minnesota Living with Heart Failure 質問票および Kansas City Cardiomyopathy 質問票による)の有意な改善と関連していた.重大な有害事象として,術後出血,脳卒中,右心不全,経皮的リード感染などがあった.2 例でポンプに血栓が発生した.

結 論

連続流左心補助人工心臓により,移植待機患者において少なくとも 6 ヵ月間は効果的に血行動態を改善することができ,心機能の状態や QOL が改善する.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00121472)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 357 : 885 - 96. )