The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

September 6, 2007 Vol. 357 No. 10

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

心房細動と心房粗動において洞調律を維持するためのドロネダロン
Dronedarone for Maintenance of Sinus Rhythm in Atrial Fibrillation or Flutter

B.N. Singh and Others

背景

アミオダロンは,心房細動において洞調律を維持するという点で有効であるが,重篤な毒性作用の危険性が伴う.ドロネダロン(dronedarone)は,薬理学的にアミオダロンと関連がある新しい抗不整脈薬で,副作用リスクを軽減させるために開発された.

方 法

2 つの同じ多施設共同二重盲検無作為化試験を,欧州(ClinicalTrials.gov 番号:NCT000259428)と,米国,カナダ,オーストラリア,南アフリカ,アルゼンチン(非欧州試験と呼ぶ,ClinicalTrials.gov 番号:NCT000259376)で実施した.患者 828 例にドロネダロン 400 mg を 1 日 2 回投与し,409 例にプラセボを投与して,本剤の有効性を評価した.2,3,5 日目;3,5,7,10 ヵ月目;不整脈再発時;12 ヵ月間に 9 回予定された来院時に,電話で心律動をモニターした.主要エンドポイントは,心房細動または心房粗動の初回再発までの期間とした.

結 果

欧州試験では,不整脈再発までの期間の中央値は,プラセボ群で 41 日,ドロネダロン群で 96 日であった(P=0.01).非欧州試験ではそれぞれ,59 日,158 日であった(P=0.002).欧州試験では,不整脈再発時の心室拍動の平均値(±SD)はプラセボ群で 117.5±29.1 回/分,ドロネダロン群で 102.3±24.7 回/分であった(P<0.001).非欧州試験ではそれぞれ,116.6±31.9 回/分,104.6±27.1 回/分であった(P<0.001).肺毒性作用,および甲状腺と肝臓の機能障害の発生率について,ドロネダロン群で有意な上昇はみられなかった.

結 論

ドロネダロンには,洞調律の維持と不整脈再発時の心室拍動の低減という点で,プラセボを有意に上回る効果が認められた.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 357 : 987 - 99. )