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April 24, 2008 Vol. 358 No. 17

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米国とカナダにおけるエゼチミブの使用
Use of Ezetimibe in the United States and Canada

C.A. Jackevicius and Others

背景

エゼチミブは低比重リポ蛋白コレステロールを低下させるが,米国とカナダにおける現行の脂質低下ガイドラインでは,一次予防や二次予防の第 1 選択薬としては推奨されていない.われわれは,エゼチミブの採用についてほかの脂質降下薬の採用と関連させて説明し,両国における同薬の使用を比較することを試みた.

方 法

IMS Health 社提供の 2002 年 1 月~2006 年 12 月のデータを使用して,人口レベルのコホート研究を実施し,米国とカナダにおける脂質降下薬とエゼチミブの処方状況および支出について報告した.

結 果

2002~06 年の脂質降下薬の月間処方件数は,カナダで 10 万人あたり 3,719 件から 7,401 件に増加し,米国では 10 万人あたり 3,927 件から 6,827 件に増加した.これらの処方のうち,エゼチミブの割合は,カナダでは 2003 年の 0.2%から 2006 年には 3.4%に増加し,米国では 2002 年の 0.1%から 2006 年には 15.2%に増加した.2002~06 年のスタチン系薬剤の使用は,カナダでは比較的一定していたが,米国ではスタチン系薬剤が処方される割合が 86.5%から 80.8%に減少した.2006 年のスタチン系薬剤の処方に対するエゼチミブの処方の比率は,カナダでは 26:1,米国では 5:1 であった.また,2006 年のエゼチミブに対する 10 万人あたりの支出は,米国でカナダの 4 倍以上であった.

結 論

2002~06 年のあいだに,米国とカナダでは,エゼチミブの使用パターンに相違が生じた.これにより,米国における脂質異常症に対する治療アプローチは大きく変化した.米国のパターンは全体的な費用を増加させたが,臨床転帰への影響は明らかではない.

本論文(10.1056/NEJMsa0801461)は,2008 年 3 月 30 日に www.nejm.org で発表された.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 358 : 1819 - 28. )