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February 21, 2008 Vol. 358 No. 8

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腰部脊柱管狭窄症に対する外科的治療と非外科的治療の比較
Surgical versus Nonsurgical Therapy for Lumbar Spinal Stenosis

J.N. Weinstein and Others

背景

脊柱管狭窄症に対する手術は広く行われているが,非外科的治療と比較した場合の有効性は比較試験では示されていない.

方 法

12 週以上続く症状と脊柱管狭窄症の既往があり,画像診断で脊椎すべり症でないことが確認された手術対象者を,米国の 13 ヵ所の脊椎専門クリニックで,無作為化コホートと観察コホートのいずれかに登録した.治療は,減圧術または通常の非外科的治療により行われた.主要評価項目は,6 週,3 ヵ月,6 ヵ月,1 年,2 年の時点における 36 項目の健康調査票(Medical Outcomes Study 36-Item Short-Form General Health Survey;SF-36)の身体的疼痛スコアと身体機能スコア,および修正オスウェストリー障害指標(Oswestry Disability Index)とした.

結 果

計 289 例を無作為化コホートに,365 例を観察コホートに登録した.2 年の時点で,手術に割り付けられた患者では 67%が手術を受けたのに対し,非外科的治療に割り付けられた患者では 43%が手術も受けた.無作為化コホートの intention-to-treat 解析では,非遵守の度合いが高かったにもかかわらず,手術のほうが治療効果が有意に高いことが示され,SF-36 の身体的疼痛スコアのベースラインからの変化の平均差は 7.8 であった(95%信頼区間 1.5~14.1).しかし,身体機能スコアやオスウェストリー障害指標のスコアには有意差はなかった.両コホートを統合して交絡の可能性のある因子について補正した as-treated 解析からは,3 ヵ月の時点までは,すべての主要評価項目について手術のほうが有意に優れていることが示された.2 年の時点でも,これらの変化の有意性は保たれた.

結 論

統合した as-treated 解析では,手術を受けた患者のほうが,非外科的な治療を受けた患者よりも,すべての主要評価項目について有意により大きな改善を示した.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00000411)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 358 : 794 - 810. )