The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

December 4, 2008 Vol. 359 No. 23

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

高リスクの高血圧患者に対するベナゼプリル+アムロジピンとベナゼプリル+ヒドロクロロチアジド
Benazepril plus Amlodipine or Hydrochlorothiazide for Hypertension in High-Risk Patients

K. Jamerson and Others

背景

高血圧に対する至適な薬物併用療法は確立されていないが,米国の現行ガイドラインでは利尿薬を組み入れることが推奨されている.われわれは,アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬とジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬の併用療法は,ACE 阻害薬とサイアザイド系利尿薬の併用療法に比べて,心血管イベントの発生率を減少させるうえで有効であるという仮説を立てた.

方 法

無作為化二重盲検試験で,心血管イベントリスクの高い高血圧患者 11,506 例を,ベナゼプリル+アムロジピンの併用療法群と,ベナゼプリル+ヒドロクロロチアジドの併用療法群に割り付けた.主要エンドポイントは,心血管系の原因による死亡,非致死的心筋梗塞,非致死的脳卒中,狭心症による入院,突然の心停止後の蘇生,冠動脈血行再建の複合とした.

結 果

両群のベースライン特性は同様であった.平均 36 ヵ月追跡した時点で,事前に規定した試験中止基準の境界を超えたため,試験を早期に終了した.用量補正後の平均血圧は,ベナゼプリル+アムロジピン群で 131.6/73.3 mmHg,ベナゼプリル+ヒドロクロロチアジド群で 132.5/74.4 mmHg であった.主要転帰イベントは,ベナゼプリル+アムロジピン群で 552 件(9.6%)発生したのに対し,ベナゼプリル+ヒドロクロロチアジド群では 679 件(11.8%)発生し,ベナゼプリル+アムロジピン療法の絶対リスク減少率は 2.2%,相対リスク減少率は 19.6%であった(ハザード比 0.80,95%信頼区間 [CI] 0.72~0.90,P<0.001).副次的エンドポイントである心血管系の原因による死亡,非致死的心筋梗塞,非致死的脳卒中に関してはハザード比 0.79(95% CI 0.67~0.92,P=0.002)であった.有害事象の発生率は,試験薬の臨床経験で観察された発生率と一致した.

結 論

心血管イベントリスクの高い高血圧患者に対して,ベナゼプリル+アムロジピンの併用療法は,ベナゼプリル+ヒドロクロロチアジドの併用療法に比べて,心血管イベントを減少させるうえで優れていた.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00170950)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 359 : 2417 - 28. )