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April 2, 2009 Vol. 360 No. 14

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インド農村部における子宮頸癌スクリーニングとしての HPV 検査
HPV Screening for Cervical Cancer in Rural India

R. Sankaranarayanan and Others

背景

1999 年 10 月に,インドのウスマーナーバード地方で,ヒトパピローマウイルス(HPV)検査,細胞診,酢酸を用いた子宮頸部の視診(VIA)のいずれかによる子宮頸癌スクリーニングを 1 回実施し,子宮頸癌の発生率および関連死亡率に対する効果を比較・検討する試験を開始した.

方 法

このクラスター無作為化試験では,30~59 歳の健常女性計 131,746 例を含む 52 の村落を,13 村落ずつ 4 つの群に無作為に割り付けた.これら 4 群を,HPV 検査によるスクリーニング(34,126 例),細胞診によるスクリーニング(32,058 例),VIA によるスクリーニング(34,074 例),標準的ケア(31,488 例,対照群)のいずれかに無作為に割り付けた.スクリーニングの結果が陽性であった女性にはコルポスコピーと狙い組織診を行い,子宮頸部に前癌病変または癌が認められた場合は適切な治療を行った.

結 果

子宮頸癌は,HPV 検査群では 127 例(うち 39 例が II 期以上)で診断されたのに対し,対照群では 118 例(うち 82 例が進行癌)であった(HPV 検査群における進行癌発見のハザード比 0.47,95%信頼区間 [CI] 0.32~0.69).癌による死亡は,HPV 検査群で 34 例であったのに対し,対照群では 64 例であった(ハザード比 0.52,95% CI 0.33~0.83).細胞診群と VIA 群では,対照群と比べて,進行癌および死亡の発生数に有意な減少はみられなかった.スクリーニングを受けた女性の 0.1%で軽度の有害事象が報告された.

結 論

資源が乏しい環境では,HPV 検査を 1 回行うことで,進行子宮頸癌および子宮頸癌による死亡の発生数に有意な減少がみられた.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 360 : 1385 - 94. )