The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

January 1, 2009 Vol. 360 No. 1

先天性好中球減少症に伴う症候群と G6PC3 の変異
A Syndrome with Congenital Neutropenia and Mutations in G6PC3

K. Boztug and Others

背景

重症先天性好中球減少症の主な特徴は,幼少期における重度の細菌感染,成熟好中球の欠乏,白血病のリスクの増加である.多くの患者では,重症先天性好中球減少症の遺伝的原因は明らかにされていない.

方 法

重症先天性好中球減少症患児 5 例が含まれる 2 つの血縁家系について,ゲノムワイドな遺伝子型決定と連鎖分析を行った.連鎖分析対象区間から得た候補遺伝子の配列決定を 行った.また,機能解析と再構成実験を行った.

結 果

発端患児は全例が細菌に感染しやすく,骨髄中に成熟好中球がほとんどみられなかった.その他の特徴として,構造的心奇形,泌尿生殖器奇形,体幹と四肢の静脈拡張がみられた.2 家族の連鎖分析では,染色体 17q21 上の連鎖分析対象区間における,2 家族を合わせた多点ロッドスコアは 5.74 であった.グルコース-6-ホスファターゼの触媒サブユニット 3 をコードする候補遺伝子 G6PC3 の配列決定から,この 2 家族のすべての患児に,グルコース-6-ホスファターゼの酵素活性を失わせるエクソン 6 のホモ接合ミスセンス変異が存在することが明らかになった.患児の好中球と線維芽細胞では,アポトーシスに対する感受性が増大していた.骨髄系細胞では,小胞体ストレス増加とグリコーゲン合成酵素キナーゼ 3β(GSK-3β)の活性上昇の所見が認められた.症候上の特徴を呈し,G6PC3 の両アレルに明確な変異を有する血縁関係のない重症先天性好中球減少症患児が,さらに 7 例確認された.

結 論

心臓と泌尿生殖器の奇形と関連する重症先天性好中球減少症候群の背景には,グルコース-6-ホスファターゼの触媒サブユニット 3 の機能欠損が存在する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 360 : 32 - 43. )