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February 5, 2009 Vol. 360 No. 6

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転移性大腸癌に対する化学療法+ベバシズマブ+セツキシマブの併用
Chemotherapy, Bevacizumab, and Cetuximab in Metastatic Colorectal Cancer

J. Tol and Others

背景

フッ化ピリミジン系薬剤ベースの化学療法と抗血管内皮増殖因子(VEGF)抗体であるベバシズマブの併用は,転移性大腸癌に対する標準的な一次治療である.われわれは,転移性大腸癌に対するカペシタビン+オキサリプラチン+ベバシズマブの併用療法に,抗上皮成長因子受容体(EGFR)抗体であるセツキシマブを追加した場合の効果について検討した.

方 法

治療歴のない転移性大腸癌の患者 755 例を,カペシタビン+オキサリプラチン+ベバシズマブを投与する群(CB レジメン,378 例)と,CB レジメンに週 1 回のセツキシマブを併用投与する群(CBC レジメン,377 例)のいずれかに無作為に割り付けた.主要エンドポイントは無増悪生存期間とした.KRAS 遺伝子の変異状態を転帰の予測因子として評価した.

結 果

無増悪生存期間の中央値は,CB 群で 10.7 ヵ月,CBC 群で 9.4 ヵ月であった(P=0.01).QOL スコアは CBC 群のほうが低かった.全生存期間と奏効率に両群で有意差は認められなかった.グレード 3 または 4 の有害事象はCBC 群の患者でより多く認められたが,これはセツキシマブに関連した皮膚への有害作用に起因するものであった.CBC 群で KRAS 遺伝子変異を有する患者では,CBC 群で KRAS 遺伝子が野生型の患者,CB 群で KRAS 遺伝子変異を有する患者に比べ無増悪生存期間が有意に短かった.

結 論

カペシタビン+オキサリプラチン+ベバシズマブにセツキシマブを併用した場合,無増悪生存期間が有意に短くなり,QOL が低下した.KRAS 遺伝子の変異状態は,CBC 群の転帰の予測因子であった.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00208546)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 360 : 563 - 72. )