September 24, 2009 Vol. 361 No. 13
急性骨髄性白血病に対するアントラサイクリンの用量強化
Anthracycline Dose Intensification in Acute Myeloid Leukemia
H.F. Fernandez and Others
若年・中年成人の急性骨髄性白血病(AML)では,寛解導入療法時に高用量のアントラサイクリン系薬を投与することで完全寛解率は改善されているが,全生存期間は延長していない.シタラビンと標準用量または高用量のダウノルビシンを用いた寛解導入療法を行い,その後強化地固め療法を行う治療法によって,完全寛解が得られ全生存期間が延長するかどうかを評価した.
この第 3 相無作為化試験では,17~60 歳の未治療 AML 患者 657 例を,ダウノルビシンを 3 日間,標準用量(45 mg/m2 体表面積/日)で投与する群と,高用量(90 mg/m2/日)で投与する群に割り付けた.両群ともシタラビン(100 mg/m2/日)持続静脈内投与を 7 日間併用した.完全寛解が得られた患者に対する地固め療法は,同種造血幹細胞移植または自家幹細胞移植とし,自家幹細胞移植の前には高用量のシタラビン投与をモノクローナル抗体ゲムツズマブオゾガマイシン単回投与の併用・非併用下で行った.主要エンドポイントは全生存期間とした.
intention-to-treat 解析では,高用量群は標準用量群よりも完全寛解率が高く(70.6% 対 57.3%,P<0.001),全生存期間が長かった(中央値 23.7 ヵ月 対 15.7 ヵ月,P=0.003).重篤な有害事象の発生率は両群で同等であった.追跡期間中央値は 25.2 ヵ月であった.
AML の若年・中年成人患者に対しては,高用量のダウノルビシンを投与する強化導入療法により,完全寛解率と全生存期間が標準用量のダウノルビシンより改善した.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00049517)