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November 5, 2009 Vol. 361 No. 19

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冠動脈バイパス術におけるオンポンプ手術とオフポンプ手術の比較
On-Pump versus Off-Pump Coronary-Artery Bypass Surgery

A.L. Shroyer and Others

背景

冠動脈バイパス術(CABG)は,従来から体外循環を用いて行われている(オンポンプ CABG).体外循環を用いない CABG(オフポンプ CABG)を行えば,人工心肺装置に関連した合併症が減少する可能性がある.

方 法

緊急 CABG または待機的 CABG が予定されていた 2,203 例の患者を,オンポンプ群とオフポンプ群に無作為に割り付けた.短期の主要エンドポイントは,退院前または術後 30 日以内の死亡と合併症(再手術,新たな機械的補助,心停止,昏睡,脳卒中,腎不全)の複合とした.長期の主要エンドポイントは,術後 1 年以内のあらゆる原因による死亡・血行再建術の再施行・非致死的心筋梗塞の複合とした.副次的エンドポイントは,血行再建術の完全性,1 年後のグラフト開存率,神経心理学的転帰,主要医療資源の使用とした.

結 果

オフポンプ群とオンポンプ群のあいだで,30 日後の複合転帰発生率に有意差はみられなかった(それぞれ 7.0%と 5.6%,P=0.19).1 年後の複合転帰発生率は,オフポンプ群のほうがオンポンプ群より高かった(9.9% 対 7.4%,P=0.04).最初の計画よりバイパスグラフト数が少なかった患者の割合は,オフポンプ群のほうがオンポンプ群より高かった(17.8% 対 11.1%,P<0.001).追跡しえた 1,371 例 4,093 グラフトの血管造影では,全体のグラフト開存率はオフポンプ群のほうがオンポンプ群より低かった(82.6% 対 87.8%,P<0.01).神経心理学的転帰と短期の主要医療資源使用については,2 群間で差はなかった.

結 論

追跡調査 1 年の時点で,複合転帰発生率とグラフト開存率は,オフポンプ群のほうがオンポンプ群より不良であった.神経心理学的転帰と主要医療資源使用については,手技間で有意差は認められなかった.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00032630)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 361 : 1827 - 37. )