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December 3, 2009 Vol. 361 No. 23

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連続流左心補助人工心臓で治療する進行心不全
Advanced Heart Failure Treated with Continuous-Flow Left Ventricular Assist Device

M.S. Slaughter and Others

背景

進行心不全患者を植込み型拍動流左心補助人工心臓で治療した場合,内科的治療に比べて生存率と QOL が改善されている.新たに開発された連続流人工心臓はより小型で,耐久性がさらに高い可能性がある.

方 法

この無作為化試験では,移植の対象とならない進行心不全患者を,連続流人工心臓を植え込む群(134 例)と,現在承認されている拍動流人工心臓を植え込む群(66 例)に 2:1 の割合で割り付けた.主要複合エンドポイントは,植込み後 2 年での,障害の残る脳卒中および人工心臓を修理・交換するための再手術のない生存とした.副次的エンドポイントは,生存率,有害事象の頻度,QOL,心機能分類とした.

結 果

術前の患者背景は両群で類似しており,年齢は中央値 64 歳(26~81 歳),平均左室駆出率は 17%で,患者の約 80%が強心薬の静脈内投与を受けていた.主要複合エンドポイントを達成した患者は,連続流人工心臓群のほうが拍動流人工心臓群よりも多かった(134 例中 62 例 [46%] 対 66 例中 7 例 [11%],P<0.001;ハザード比 0.38,95%信頼区間 0.27~0.54,P<0.001).植込み後 2 年の生命表法による生存率も,連続流人工心臓群のほうが高かった(58% 対 24%,P=0.008).有害事象と人工心臓交換の頻度は,連続流人工心臓群のほうが低かった.QOL と心機能分類は両群とも有意に改善した.

結 論

進行心不全患者に対しては,連続流左心補助人工心臓を植え込むほうが拍動流人工心臓を植え込むより,植込み後 2 年での脳卒中および装置故障のない生存率は有意に改善した.QOL と心機能分類は,いずれの人工心臓でも有意に改善した.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00121485)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 361 : 2241 - 51. )