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August 13, 2009 Vol. 361 No. 7

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乳癌における微小転移・遊離癌細胞と転帰の関連
Micrometastases or Isolated Tumor Cells and the Outcome of Breast Cancer

M. de Boer and Others

背景

所属リンパ節における遊離癌細胞および微小転移と,乳癌の臨床転帰に関連があるかどうかは明らかにされていない.

方 法

オランダで,2006 年以前に乳癌のセンチネルリンパ節生検を受け,原発腫瘍の特徴(腫瘍径・グレード)が良好であった患者のうち,所属リンパ節に遊離癌細胞または微小転移が認められたすべての患者を同定した.リンパ節転移陰性の患者は,2000~01 年から無作為に抽出した.主要エンドポイントは無病生存率とした.

結 果

リンパ節転移がなく術後全身療法を受けなかった患者 856 例(リンパ節転移陰性・術後全身療法なしコホート),遊離癌細胞または微小転移があり術後全身療法を受けなかった患者 856 例(リンパ節転移陽性・術後全身療法なしコホート),遊離癌細胞または微小転移があり術後全身療法を受けた患者 995 例(リンパ節転移陽性・術後全身療法ありコホート)を同定した.追跡期間中央値は 5.1 年であった.乳癌イベントに対する補正ハザード比は,リンパ節転移陰性の患者と比較して,遊離癌細胞があり術後全身療法を受けなかった患者では 1.50(95%信頼区間 [CI] 1.15~1.94),微小転移があり術後全身療法を受けなかった患者では 1.56(95% CI 1.15~2.13)であった.遊離癌細胞または微小転移がある患者については,術後全身療法ありコホートでは,術後全身療法なしコホートと比較して補正ハザード比は 0.57(95% CI 0.45~0.73)であった.

結 論

良好な早期乳癌で術後全身療法を受けなかった女性では,所属リンパ節の遊離癌細胞または微小転移が,5 年無病生存率の低下と関連していた.遊離癌細胞または微小転移があり術後全身療法を受けた患者では,無病生存率が改善した.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 361 : 653 - 63. )