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May 6, 2010 Vol. 362 No. 18

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汎発性白斑における TYR 変異型と自己免疫疾患感受性遺伝子座
Variant of TYR and Autoimmunity Susceptibility Loci in Generalized Vitiligo

Y. Jin and Others

背景

汎発性白斑は,メラニン細胞の消失による皮膚や髪の斑状色素脱失を特徴とする自己免疫疾患である.また,ほかの自己免疫疾患のリスク増加と関連している.

方 法

汎発性白斑感受性に関連する遺伝子座を同定するため,ゲノムワイド関連研究を行った.ヨーロッパ系白人(CEU)家系の汎発性白斑患者 1,514 例において一塩基多型(SNP)579,146 個の遺伝子型を同定し,公的に入手しえた対照 CEU 2,813 例の遺伝子型と比較した.その後 2 つの再現セットで 50 個の SNP を検証した.再現セット 1 は血縁関係のない CEU の患者 677 例と対照 1,106 例から成り,再現セット 2 は汎発性白斑患者が 1 人存在する CEU の 3 人家族 183 組と,複数の患者が存在する CEU の家族 332 組から成っていた.

結 果

汎発性白斑と,すでにほかの自己免疫疾患との関連が認められている複数の遺伝子座の SNP とのあいだに有意な関連が認められた.これらの遺伝子座には,主要組織適合遺伝子複合体クラス I 分子(P=9.05×10-23)・クラス II 分子(P=4.50×10-34)をコードする遺伝子,PTPN22(P=1.31×10-7),LPP(P=1.01×10-11),IL2RA(P=2.78×10-9),UBASH3A(P=1.26×10-9),C1QTNF6(P=2.21×10-16)が含まれていた.さらに,汎発性白斑と,免疫に関連するほかの 2 個の遺伝子座 RERE(P=7.07×10-15),GZMB(P=3.44×10-8)と,チロシナーゼをコードする TYR を含む遺伝子座(P=1.60×10-18)に存在する SNP とのあいだの関連も認められた.

結 論

汎発性白斑と,複数の遺伝子に関わるマーカーとのあいだに関連が認められた.この遺伝子のいくつかはほかの自己免疫疾患と関連しているが,TYR については,標的細胞の特異性を媒介すると考えられ,汎発性白斑への感受性と黒色腫への感受性との排他的な関係を示唆している可能性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 362 : 1686 - 97. )