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January 28, 2010 Vol. 362 No. 4

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メキシコにおける小児期の下痢による死亡に対するロタウイルスワクチン接種の効果
Effect of Rotavirus Vaccination on Death from Childhood Diarrhea in Mexico

V. Richardson and Others

背景

2006 年 2 月~2007 年 5 月に,メキシコにおいてロタウイルス一価ワクチンが段階的に導入された.メキシコの小児を対象に,2008~09 年の下痢による死亡に対するロタウイルスワクチン接種の効果を評価した.

方 法

メキシコの 5 歳未満の小児を対象に,2003 年 1 月~2009 年 5 月の下痢によるあらゆる死亡のデータを入手した.2008 年と 2008~09 年のロタウイルス流行期における下痢に関連した死亡率を,ロタウイルスワクチン導入前のベースライン(2003~06 年)の死亡率と比較した.ワクチンの接種率は,行政データから推定した.

結 果

2007 年 12 月までに,11 ヵ月以下の小児のうち推定 74%がロタウイルスワクチン接種を 1 回受けていた.2008 年の 5 歳未満の小児における下痢関連死亡者数は 1,118 例で,2003~06 年の年間の下痢関連死亡者数の中央値 1,793 例から 675 例減少した.下痢関連死亡率は,ベースラインの中央値が年間で 100,000 人あたり 18.1 例であったのに対して,2008 年には 11.8 例に減少した(減少率 35%,95%信頼区間 [CI] 29~39,P<0.001).11 ヵ月以下の乳児における下痢関連死亡率は,ベースラインでは小児 100,000 人あたり 61.5 例であったが,2008 年では 36.0 例に減少した(減少率 41%,95% CI 36~47,P<0.001).ベースラインと比較したところ,ワクチン接種の適格年齢にほとんどが該当しなかった 12~23 ヵ月の小児で下痢関連死亡率が 29%低下した.ワクチン接種を受けなかった 24~59 ヵ月の小児では死亡率に有意な低下はみられなかった.下痢関連死亡者数の減少は,2 回のロタウイルス流行期(2008 年と 2009 年)を通して持続した.

結 論

メキシコの小児へのロタウイルスワクチン導入後,下痢関連死亡率の有意な低下がみられ,ロタウイルスワクチン接種が有効である可能性が示唆された.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 362 : 299 - 305. )