The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

February 4, 2010 Vol. 362 No. 5

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

再発性多発性硬化症に対する経口クラドリビンのプラセボ対照試験
A Placebo-Controlled Trial of Oral Cladribine for Relapsing Multiple Sclerosis

G. Giovannoni and Others

背景

クラドリビンは,リンパ球サブタイプを選択的に標的にして免疫を修飾する.再発寛解型多発性硬化症患者にクラドリビンの錠剤を短期コースで経口投与した,96 週間の第 3 相試験の結果を報告する.

方 法

1,326 例を,クラドリビン錠の累積投与量 3.5 mg/kg 群,5.25 mg/kg 群,マッチさせたプラセボ群のいずれかに,ほぼ 1:1:1 の割合で無作為に割り付けた.各群で,最初の 48 週間は 2 コースもしくは 4 コースの短期投与を行い,その後 2 コースの短期投与を,48 週目と 52 週目に開始した(年間で計 8~20 日間投与).主要エンドポイントは 96 週の時点での再発率とした.

結 果

クラドリビン群はいずれも,プラセボ群に比べ年間再発率が有意に低く(3.5 mg/kg 群 0.14,5.25 mg/kg 群 0.15 対 プラセボ群 0.33;両比較について P<0.001),無再発率が高く(79.7%,78.9% 対 60.9%;両比較について P<0.001),3 ヵ月間の持続的障害進行リスクが低く(3.5 mg 群のハザード比 0.67,95%信頼区間 [CI] 0.48~0.93,P=0.02;5.25 mg 群のハザード比 0.69,95% CI 0.49~0.96,P=0.03),MRI 上の脳病変数が有意に減少した(すべての比較について P<0.001).クラドリビン群では,リンパ球減少(3.5 mg 群 21.6%,5.25 mg 群 31.5% 対 プラセボ群 1.8%),帯状疱疹(8 例,12 例 対 0 例)などの有害事象がより高頻度に認められた.

結 論

クラドリビン錠の投与により,96 週の時点での再発率が有意に低下し,障害進行のリスクと,MRI 上の疾患活動性指標が有意に減少した.これらの有益性は,リスクと比較検討する必要がある.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00213135)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 362 : 416 - 426. )