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February 11, 2010 Vol. 362 No. 6

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乳癌に対する少分割照射の長期成績
Long-Term Results of Hypofractionated Radiation Therapy for Breast Cancer

T.J. Whelan and Others

背景

乳房温存手術後の,全乳房照射の最適な分割スケジュールは明らかにされていない.

方 法

全乳房照射スケジュールとして,1 回あたりの線量を増やす 3 週間の少分割照射は,5 週間の標準的照射と同等の効果があるかどうかを検討する試験を行った.浸潤性乳癌に対して乳房温存手術を受けた,切除断端陰性・腋窩リンパ節転移陰性の女性を,対照群として 35 日間に標準線量 50.0 Gy を 25 分割で乳房全体に照射する群(標準分割照射群)と,22 日間に線量 42.5 Gy を 16 分割で乳房全体に照射する群(少分割照射群)に無作為に割り付けた.

結 果

10 年後の局所再発リスクは,標準照射群 612 例では 6.7%,少分割照射群 622 例では 6.2%であった(絶対差 0.5 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] -2.5~3.5).10 年後,美容的転帰が優または良であったのは,標準照射群 71.3%,少分割照射群 69.8%であった(絶対差 1.5 パーセントポイント,95% CI -6.9~9.8).

結 論

浸潤性乳癌に対して乳房温存手術を受けた,切除断端陰性・腋窩リンパ節転移陰性の女性において,加速的に行う乳房全体への少分割照射の有効性は,治療後 10 年の時点で標準的照射に劣らないことが示された.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00156052)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 362 : 513 - 20. )