November 11, 2010 Vol. 363 No. 20
免疫性血小板減少症に対するロミプロスチムと標準治療の比較
Romiplostim or Standard of Care in Patients with Immune Thrombocytopenia
D.J. Kuter and Others
免疫性血小板減少症患者に対するトロンボポエチン受容体刺激薬ロミプロスチム(romiplostim)の投与は,有害作用はほとんどなく,血小板数を増加させる.
52 週間の非盲検試験において,脾臓摘出術(摘脾)を受けていない免疫性血小板減少症の成人患者 234 例を,標準治療を行う群(77 例),または週 1 回ロミプロスチムを皮下注射する群(157 例)に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,治療失敗率と摘脾の頻度とした.副次的エンドポイントは,血小板応答率(予定されたいずれかの来院時に血小板数 50×109 超),安全性転帰,QOL などとした.
ロミプロスチム群における血小板応答率は,標準治療群の 2.3 倍であった(95%信頼区間 [CI] 2.0~2.6,P<0.001).治療失敗率は,ロミプロスチム群(157 例中 18 例 [11%])のほうが標準治療群(77 例中 23 例 [30%])より有意に低かった(P<0.001)(ロミプロスチムのオッズ比 0.31,95% CI 0.15~0.61).摘脾の頻度も,ロミプロスチム群(157 例中 14 例 [9%])のほうが標準治療群(77 例中 28 例 [36%])より低かった(P<0.001)(オッズ比 0.17,95% CI 0.08~0.35).ロミプロスチム群では,標準治療群と比べて,出血性イベントの発生率が低く,輸血例が少なく,QOL の改善が大きかった.重篤な有害事象は,ロミプロスチム群の 23%(154 例中 35 例)と標準治療群の 37%(75 例中 28 例)に発生した.
ロミプロスチム群では,標準治療群と比べて,血小板応答率が高く,治療失敗および摘脾の頻度が低く,出血例と輸血例が少なく,QOL が良好であった.(Amgen 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00415532)