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July 22, 2010 Vol. 363 No. 4

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1 型糖尿病におけるグルコースセンサー付インスリンポンプ療法の有効性
Effectiveness of Sensor-Augmented Insulin-Pump Therapy in Type 1 Diabetes

R.M. Bergenstal and Others

背景

1 型糖尿病の治療のために近年開発された技術には,さまざまな種類のインスリンポンプやグルコースセンサー搭載のインスリンポンプがある.

方 法

1 年間にわたる多施設共同無作為化対照試験において,コントロール不良の 1 型糖尿病患者 485 例(成人 329 例,小児 156 例)を対象に,センサー付インスリンポンプ療法(ポンプ療法)と,1 日に複数回のインスリン注射を行うレジメン(注射療法)の有効性を比較した.患者に遺伝子組換え型インスリンアナログ製剤を投与し,専門の医療チームが指導した.主要エンドポイントは糖化ヘモグロビン(HbA1c)値のベースラインからの変化とした.

結 果

平均 HbA1c 値はベースラインでは両群ともに 8.3%であったが,1 年の時点でポンプ療法群では 7.5%に,注射療法群では 8.1%に低下した(P<0.001).目標 HbA1c 値(7%未満)に達した患者の割合は,ポンプ療法群のほうが注射療法群より高かった.重症低血糖の発生率は,ポンプ療法群(13.31 件/100 人年)と注射療法群(13.48 件/100 人年)で有意差はなかった(P=0.58).両群ともに有意な体重増加は認められなかった.

結 論

コントロール不良の 1 型糖尿病患者は,成人と小児のいずれにおいても,グルコースセンサー付インスリンポンプ療法群のほうが注射レジメン群よりも HbA1c 値が有意に改善し,目標 HbA1c 値に達した患者の割合も高かった.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00417989)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 363 : 311 - 20. )