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July 7, 2011 Vol. 365 No. 1

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HIV 感染成人の結核予防のための新規レジメン
New Regimens to Prevent Tuberculosis in Adults with HIV Infection

N.A. Martinson and Others

背景

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染患者の潜在性結核に対する治療は有効であるが,治療を受けている例は世界でほとんどいない.潜在性結核に対して,標準的なイソニアジド治療よりも強力かつ継続性の高い可能性のある 3 つの新しい治療法を評価した.

方 法

HIV 感染に対する抗レトロウイルス療法を受けておらず,ツベルクリン反応陽性である南アフリカの成人を,リファペンチン(rifapentine)(900 mg)+イソニアジド(900 mg)を週 1 回 12 週間投与する群,リファンピン(600 mg)+イソニアジド(900 mg)を週 2 回 12 週間投与する群,イソニアジド(300 mg)を 1 日 1 回最長 6 年間投与する群(イソニアジド継続群),イソニアジド(300 mg)を 1 日 1 回 6 ヵ月間投与する群(対照群)のいずれかに無作為に割り付けた.主要エンドポイントは結核未発症生存率とした.

結 果

1,148 例を対象とした.年齢中央値は 30 歳,CD4 細胞数中央値は 484 個/mm3 であった.活動性結核または死亡の発生率は,リファペンチン+イソニアジド群では 100 人年あたり 3.1,リファンピン+イソニアジド群では 100 人年あたり 2.9,イソニアジド継続群では 100 人年あたり 2.7 であったのに対し,対照群では 100 人年あたり 3.6 であった(すべての比較について P>0.05).重篤な副作用の発生頻度は,イソニアジド継続群(100 人年あたり 18.4 件)が他の群(100 人年あたり 8.7~15.4 件)よりも高かった.結核菌分離株 58 株のうち,2 株(3.4%)は多剤耐性であることが示された.

結 論

今回検討した HIV 感染成人集団における期待結核発症率によると,すべての二次予防レジメンが有効であった.イソニアジド+リファペンチンの 3 ヵ月投与,リファンピン+イソニアジドの 3 ヵ月投与,イソニアジドの継続投与のいずれにも,イソニアジドの 6 ヵ月投与に対する優位性は認められなかった.(米国国立アレルギー感染症研究所ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00057122)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 365 : 11 - 20. )