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November 24, 2011 Vol. 365 No. 21

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反復性喘鳴がみられる就学前児に対するブデソニドの連日投与と間欠投与
Daily or Intermittent Budesonide in Preschool Children with Recurrent Wheezing

R.S. Zeiger and Others

背景

喘息増悪のリスクがある幼児にはグルココルチコイドの連日吸入が推奨されており,前年に修正版喘息予測指標(API)を満たし,増悪を起こした場合に適応となるが,アドヒアランスと発育への影響に関する懸念が残る.今回,連日投与と間欠投与との比較を行った.

方 法

前年に,修正版 API を満たし,反復性の喘鳴エピソードがみられ,増悪を 1 回以上起こしていたが,障害の程度が低い生後 12~53 ヵ月の児 278 例を検討した.対象を 1 年にわたり,ブデソニド吸入用懸濁液の高用量間欠投与レジメン(事前に規定した気道疾患の発症時に 1 mg 1 日 2 回を早期に開始し,7 日間投与)群と,低用量連日投与レジメン(毎晩 0.5 mg)群に無作為に割り付けた.2 群で平常時の投与と発症時の投与を一致させるため,プラセボを投与した.主要転帰は,経口グルココルチコイド療法を要した増悪の頻度とした.

結 果

増悪頻度に関して,ブデソニドの連日投与レジメン群と間欠投与レジメン群とのあいだで有意差は認められず,1 患者年あたりの発生率は連日投与レジメン群で 0.97 件(95%信頼区間 [CI] 0.76~1.22)であったのに対し,間欠投与レジメン群では 0.95 件(95% CI 0.75~1.20)であった(間欠投与レジメン群の相対発生率 0.99,95% CI 0.71~1.35,P=0.60).また,初回増悪までの期間を含む,喘息の重症度に関するその他いくつかの指標や有害事象にも,2 群間で有意差は認められなかった.ブデソニドの平均曝露量は,間欠投与レジメン群のほうが連日投与レジメン群より 104 mg 少なかった.

結 論

喘息増悪の抑制に関して,ブデソニドの低用量連日投与レジメンの高用量間欠投与レジメンに対する優位性は示されなかった.連日投与では,1 年の時点での薬剤曝露量が多くなった.(米国国立心臓・肺・血液研究所ほかから研究助成を受けた.MIST ClinicalTrials.gov 番号:NCT00675584)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 365 : 1990 - 2001. )