The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

May 10, 2012 Vol. 366 No. 19

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

多発性骨髄腫に対する幹細胞移植後のレナリドミド
Lenalidomide after Stem-Cell Transplantation for Multiple Myeloma

P.L. McCarthy and Others

背景

多発性骨髄腫患者において,自家造血幹細胞移植後の無増悪期間がレナリドミドによる維持療法によって延長するかどうかについてのデータは不足している.

方 法

2005 年 4 月~2009 年 7 月に,71 歳未満で,幹細胞移植後 100 日の時点で病勢安定,または境界奏効(marginal response),部分奏効,完全奏効のいずれかを達成していた患者 460 例を,レナリドミド群またはプラセボ群に無作為に割り付け,病勢進行まで投与を行った.レナリドミドの開始用量は 10 mg/日(5~15)であった.

結 果

2009 年に,予定されていた中間解析でレナリドミド群の無増悪期間に有意な延長が認められ,試験薬の割付けが非盲検化された.非盲検化の時点で,レナリドミド群の 20%とプラセボ群の 44%が,病勢が進行するか死亡していた(P<0.001).プラセボ群で病勢が進行しなかった残り 128 例のうち,86 例がレナリドミド投与にクロスオーバーした.追跡期間中央値 34 ヵ月の時点で,レナリドミド群の 231 例中 86 例(37%)と,プラセボ群の 229 例中 132 例(58%)は,病勢が進行するか死亡していた.無増悪期間中央値は,レナリドミド群 46 ヵ月,プラセボ群 27 ヵ月であった(P<0.001).レナリドミド群では計 35 例(15%),プラセボ群では計 53 例(23%)が死亡した(P=0.03).グレード 3 または 4 の血液学的有害事象とグレード 3 の血液以外の有害事象は,レナリドミド群でより高頻度に発生した(両比較について P<0.001).レナリドミド群の 18 例(8%)とプラセボ群の 6 例(3%)に二次原発癌が発生した.

結 論

骨髄腫患者において,造血幹細胞移植後 100 日目に開始するレナリドミド維持療法によって,毒性と二次癌は増加したが,無増悪期間が有意に延長し,全生存率が有意に改善した.(米国国立がん研究所から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00114101)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 366 : 1770 - 81. )