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June 7, 2012 Vol. 366 No. 23

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進行副腎皮質癌に対する併用化学療法
Combination Chemotherapy in Advanced Adrenocortical Carcinoma

M. Fassnacht and Others

背景

副腎皮質癌は細胞傷害性療法に対する反応の乏しい,まれな癌である.

方 法

進行副腎皮質癌患者 304 例を,ミトタンに加え,4 週ごとにエトポシド(2~4 日目に 100 mg/m2 体表面積),ドキソルビシン(1 日目に 40 mg/m2),シスプラチン(3,4 日目に 40 mg/m2)(EDP)を併用する群と,3 週ごとにストレプトゾシン(streptozocin)(第 1 サイクルの 1~5 日目に 1 g,第 2 サイクル以降は 1 日目に 2 g)を併用する群のいずれかに無作為に割り付けた.進行が認められた患者には第二選択治療として,もう一方の治療レジメンを行った.主要エンドポイントは全生存期間とした.

結 果

第一選択治療では,EDP+ミトタン群のほうがストレプトゾシン+ミトタン群よりも奏効率が有意に高く(23.2% 対 9.2%,P<0.001),無増悪生存期間中央値が有意に長かった(5.0 ヵ月 対 2.1 ヵ月,ハザード比 0.55,95%信頼区間 [CI] 0.43~0.69,P<0.001).全生存期間には 2 群間で有意差は認められなかった(それぞれ 14.8 ヵ月と 12.0 ヵ月,ハザード比 0.79,95% CI 0.61~1.02,P=0.07).第二選択治療としてもう一方のレジメンを行った 185 例の無増悪生存期間中央値は,EDP+ミトタン群では 5.6 ヵ月,ストレプトゾシン+ミトタン群では 2.2 ヵ月であった.第二選択治療を行わなかった患者では,全生存期間は第一選択治療の EDP+ミトタン群(17.1 ヵ月)のほうがストレプトゾシン+ミトタン群(4.7 ヵ月)よりも長かった.重篤な有害事象の発生率には治療間で有意差は認められなかった.

結 論

奏効率と無増悪生存期間は,第一選択治療としては EDP+ミトタンのほうがストレプトゾシン+ミトタンよりも良好であり,毒性の発生率は同程度であったが,全生存期間に有意差は認められなかった.(スウェーデン研究評議会ほかから研究助成を受けた.FIRM-ACT ClinicalTrials.gov 番号:NCT00094497)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 366 : 2189 - 97. )