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January 19, 2012 Vol. 366 No. 3

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高齢女性における骨密度検査の間隔と骨粗鬆症への進展
Bone-Density Testing Interval and Transition to Osteoporosis in Older Women

M.L. Gourlay and Others

背景

65 歳以上の女性には骨密度(BMD)検査による骨粗鬆症(BMD T スコアが -2.50 以下)のスクリーニングが推奨されているが,BMD 検査の実施間隔を決定するうえで指針となるデータはほとんどない.

方 法

67 歳以上で,大腿骨近位部骨折または臨床症状を伴う脊椎骨折の既往および骨粗鬆症の治療歴のない,正常 BMD(大腿骨頸部と股関節の T スコアが -1.00 以上)または骨減少症(T スコアが -1.01~-2.49)の女性 4,957 例を,最長 15 年間前向きに追跡した.BMD 検査の間隔は,女性の 10%が大腿骨近位部骨折または臨床症状を伴う脊椎骨折を起こす前に骨粗鬆症に進展するまでの推定期間と定義し,エストロゲンの使用と臨床的危険因子で補正した.累積発生率に関するパラメトリックモデルを用いて,正常 BMD からの進展と,骨減少症の 3 つのサブグループ(軽度,中等度,進行)からの進展について解析した.大腿骨近位部骨折および臨床症状を伴う脊椎骨折の発生と,ビスホスホネート製剤,カルシトニン,ラロキシフェンのいずれかによる治療の開始を競合リスクとみなした.

結 果

BMD 検査の間隔の推定値は,正常 BMD の女性では 16.8 年(95%信頼区間 [CI] 11.5~24.6),骨減少症が軽度の女性では 17.3 年(95% CI 13.9~21.5),中等度の女性では 4.7 年(95% CI 4.2~5.2),進行した女性では 1.1 年(95% CI 1.0~1.3)であった.

結 論

今回のデータから,閉経後の高齢女性における骨粗鬆症の発症率は,骨密度が正常または骨減少症が軽度の女性では再スクリーニングまでの間隔が約 15 年間,骨減少症が中等度の女性では約 5 年間,骨減少症が進行した女性では約 1 年間は 10%未満であることが示された.(米国国立衛生研究所から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 366 : 225 - 33. )