The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

February 23, 2012 Vol. 366 No. 8

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

大腸癌スクリーニングにおける大腸内視鏡検査と免疫便潜血検査との比較
Colonoscopy versus Fecal Immunochemical Testing in Colorectal-Cancer Screening

E. Quintero and Others

背景

大腸内視鏡検査と免疫便潜血検査(fecal immunochemi-cal testing:FIT)は,大腸癌リスクが平均的な集団におけるスクリーニングの手段として認められている.

方 法

症状のない 50~69 歳の成人を対象とした無作為化対照試験において,26,703 例に行った 1 回限りの大腸内視鏡検査と,26,599 例に行った 2 年ごとの FIT とを比較した.主要転帰は,10 年の時点での大腸癌死亡率とした.この中間報告では,ベースラインのスクリーニングが終了した時点での,参加率,診断所見,および重大な合併症の発生率について述べる.試験の結果は,intention-to-screen 集団と as-screened 集団の両方において解析した.

結 果

参加率は FIT 群のほうが大腸内視鏡検査群よりも高かった(34.2% 対 24.6%,P<0.001).大腸癌は,大腸内視鏡検査群の 30 例(0.1%)と FIT 群の 33 例(0.1%)で発見された(オッズ比 0.99,95%信頼区間 [CI] 0.61~1.64,P=0.99).進行腺腫は,大腸内視鏡検査群の 514 例(1.9%)と FIT 群の 231 例(0.9%)で発見され(オッズ比 2.30,95% CI 1.97~2.69,P<0.001),非進行腺腫は大腸内視鏡検査群の 1,109 例(4.2%)と FIT 群の 119 例(0.4%)で検出された(オッズ比 9.80,95% CI 8.10~11.85,P<0.001).

結 論

FIT 群の被験者は,大腸内視鏡検査群の被験者よりも,スクリーニング参加率が高かった.ベースラインのスクリーニング検査において,大腸癌が発見された被験者数は 2 群で同程度であったが,大腸内視鏡検査群では腺腫がより多く同定された.(カルロス 3 世保健研究所ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00906997)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 366 : 697 - 706. )