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September 13, 2012 Vol. 367 No. 11

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小児における無菌体百日咳ワクチンの 5 回接種後に減弱する防御能
Waning Protection after Fifth Dose of Acellular Pertussis Vaccine in Children

N.P. Klein and Others

背景

米国では,小児は 7 歳までにジフテリア・破傷風・無菌体百日咳(DTaP)ワクチンの接種を 5 回受ける.DTaP ワクチン 5 回接種後の防御能が持続する期間は不明である.

方 法

2006~11 年に,カリフォルニアの小児における百日咳リスクを,DTaP の 5 回目の接種からの期間との関連において評価した.この期間には,2010 年の大規模集団発生が含まれていた.北カリフォルニアカイザーパーマネンテ健康保険組合の加入者で,47~84 月齢時に DTaP 接種を受けた小児を対象に,症例対照研究を行った.ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法陽性により確認した百日咳の小児を,次の対照 2 セットと比較した:百日咳の PCR 陰性の小児,および健康保険に加入している一般集団の綿密にマッチさせた対照.ロジスティック回帰を用いて,DTaP の 5 回目の接種からの期間との関連において百日咳のリスクを検討した.乳児期に全細胞の百日咳ワクチンの接種を受けた小児,DTaP の 5 回目の接種後に百日咳を含むワクチンの接種を受けた小児は除外した.

結 果

4~12 歳で百日咳 PCR 陽性の小児 277 例を,PCR 陰性の対照 3,318 例と,マッチさせた対照 6,086 例と比較した.PCR 陽性児は PCR 陰性対照(P<0.001)やマッチさせた対照(P=0.005)と比較して,5 回目の DTaP を早期に接種していた確率が高かった.PCR 陰性対照との比較では,オッズ比は 1.42(95%信頼区間 1.21~1.66)で,DTaP の 5 回目の接種後に,百日咳に罹患するオッズは 1 年あたり平均 42%増加することが示された.

結 論

百日咳に対する防御能は,DTaP の 5 回目の接種後 5 年間で減弱した.(カイザーパーマネンテから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 367 : 1012 - 9. )