The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

October 25, 2012 Vol. 367 No. 17

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

発作性心房細動における初期治療としての高周波アブレーション
Radiofrequency Ablation as Initial Therapy in Paroxysmal Atrial Fibrillation

J. Cosedis Nielsen and Others

背景

発作性心房細動患者の初期治療として,高周波カテーテルアブレーションと抗不整脈薬療法とを比較したデータは限られている.

方 法

抗不整脈薬の使用歴のない発作性心房細動患者 294 例を,初期治療戦略として,高周波カテーテルアブレーションを施行する群(146 例)とクラス IC または III の抗不整脈薬による治療を行う群(148 例)に無作為に割り付けた.追跡調査は,3,6,12,18,24 ヵ月の時点で 7 日間のホルター心電図の記録などを行った.主要エンドポイントは,心房細動の累積負担および各来院時の負担(すなわちホルター心電図で心房細動が認められた時間の割合)とした.解析は intention-to-treat に基づいて実施した.

結 果

アブレーション群と薬物療法群とで,心房細動の累積負担(不整脈負荷の 90 パーセンタイル,それぞれ 13%と 19%;P=0.10)と,3,6,12,18 ヵ月の時点での負担に有意差は認められなかった.24 ヵ月の時点では,心房細動の負担はアブレーション群のほうが薬物療法群よりも有意に低く(90 パーセンタイル,9% 対 18%;P=0.007),アブレーション群のほうが心房細動がまったく認められない患者(85% 対 71%,P=0.004)と症候性心房細動が認められない患者(93% 対 84%,P=0.01)が多かった.アブレーション群の死亡のうち 1 例は手技に関連した脳卒中に起因しており,アブレーション群では 3 例の心タンポナーデが認められた.薬物療法群では 54 例(36%)が補助的アブレーションを受けた.

結 論

発作性心房細動患者に対する初期治療としての高周波アブレーションと抗不整脈薬療法との比較において,2 年間の心房細動の累積負担に治療群間で有意差は認められなかった.(デンマーク心臓財団ほかから研究助成を受けた.MANTRA-PAF ClinicalTrials.gov 番号:NCT00133211)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 367 : 1587 - 95. )