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November 1, 2012 Vol. 367 No. 18

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骨粗鬆症の男性における骨折リスクとゾレドロン酸治療
Fracture Risk and Zoledronic Acid Therapy in Men with Osteoporosis

S. Boonen and Others

背景

男性の骨折は大きな健康問題であるが,男性の骨粗鬆症に対する治療の骨折予防効果に関するデータは限られている.われわれは,骨粗鬆症の男性の骨折リスクに対するゾレドロン酸の効果を検討した.

方 法

多施設共同二重盲検プラセボ対照試験において,原発性骨粗鬆症,または性腺機能低下症に関連する骨粗鬆症を有する 50~85 歳の男性 1,199 例を,ベースラインと 12 ヵ月の時点でゾレドロン酸(5 mg)を点滴静注する群とプラセボを投与する群に無作為に割り付けた.患者には毎日カルシウムとビタミン D の補給を行った.主要エンドポイントは,24 ヵ月間に新規の形態計測学的椎体骨折が 1 件以上発生した患者の割合とした.

結 果

24 ヵ月間における新規の形態計測学的椎体骨折の発生率は,ゾレドロン酸群では 1.6%,プラセボ群では 4.9%であり,ゾレドロン酸によりリスクが 67%減少したことが示された(相対リスク 0.33,95%信頼区間 0.16~0.70,P=0.002).プラセボ群の男性と比較して,ゾレドロン酸群の男性では中等度から重度の椎体骨折が少なく(P=0.03),身長低下が小さかった(P=0.002).ゾレドロン酸群の男性のほうが臨床椎体骨折や非椎体骨折が発生した患者が少なかったが,骨折の発生数が少なかったため,この差は有意ではなかった.ゾレドロン酸群の男性のほうが骨密度が高く,骨代謝マーカーが低値であった(両比較において P<0.05).血清総テストステロン値が低い男性についても,結果は同様であった.ゾレドロン酸群とプラセボ群とで,死亡率(それぞれ 2.6%と 2.9%)および重篤な有害事象の発生率(25.3%と 25.2%)に有意差は認められなかった.

結 論

骨粗鬆症の男性におけるゾレドロン酸治療は,椎体骨折リスクの有意な減少に関連していた.(Novartis Pharma 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00439647)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 367 : 1714 - 23. )