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November 15, 2012 Vol. 367 No. 20

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原発性高コレステロール血症に対するアトルバスタチン単独または PCSK9 抗体との併用
Atorvastatin with or without an Antibody to PCSK9 in Primary Hypercholesterolemia

E.M. Roth and Others

背景

血清中の前駆蛋白転換酵素サブチリシン/ケキシン 9(PCSK9)は低比重リポ蛋白(LDL)受容体に結合して LDL 受容体の分解を促進し,また血中の LDL コレステロール除去率を低下させる.完全ヒト PCSK9 モノクローナル抗体である REGN727/SAR236553(本稿では SAR236553 とする)は,LDL 受容体の再利用を促進し,LDL コレステロール値を低下させる.

方 法

アトルバスタチン 10 mg による治療を 7 週間以上受けたあとに LDL コレステロール値が 100 mg/dL(2.6 mmol/L)以上であった患者 92 例を対象に,第 2 相多施設共同二重盲検プラセボ対照試験を行った.患者を,アトルバスタチン 80 mg/日に 2 週ごとに SAR236553 を投与する群,アトルバスタチン 10 mg/日に 2 週ごとに SAR236553 を投与する群,アトルバスタチン 80 mg/日に 2 週ごとにプラセボを投与する群に無作為に割り付け,8 週間投与し,その後 8 週間追跡した.

結 果

LDL コレステロール値のベースラインからの%低下率の最小二乗平均値(±SE)は,アトルバスタチン 80 mg+SAR236553 群では 73.2±3.5 であったのに対し,アトルバスタチン 80 mg+プラセボ群では 17.3±3.5(P<0.001),アトルバスタチン 10 mg+SAR236553 群では 66.2±3.5 であった.SAR236553 の投与を受けた患者では全例が LDL コレステロール値 100 mg/dL 未満を達成したのに対し,アトルバスタチン 80 mg+プラセボ群では 52%であった.SAR236553 の投与を受けた患者では 90%以上が LDL コレステロール値 70 mg/dL(1.8 mmol/L)未満を達成したのに対し,アトルバスタチン 80 mg+プラセボ群では 17%であった.

結 論

原発性高コレステロール血症の患者を対象とした無作為化試験において,アトルバスタチン 10 mg または 80 mg に SAR236553 を併用した結果,アトルバスタチン 80 mg 単独と比較して,LDL コレステロール値に有意に大きな低下が認められた.(Sanofi 社,Regeneron Pharmaceuticals 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT01288469)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 367 : 1891 - 900. )