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November 29, 2012 Vol. 367 No. 22

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難治性フィラデルフィア染色体陽性白血病に対するポナチニブ
Ponatinib in Refractory Philadelphia Chromosome-Positive Leukemias

J.E. Cortes and Others

背景

慢性骨髄性白血病(CML)やフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph 陽性 ALL)の患者におけるチロシンキナーゼ阻害薬耐性は,BCR-ABL キナーゼドメインの変異が原因である場合が多い.ポナチニブ(ponatinib)(AP24534)は,野生型 BCR-ABL と,チロシンキナーゼ阻害薬群に対して一様に耐性を示すゲートキーパー変異 T315I を含む変異型 BCR-ABL を阻害する,強力な経口チロシンキナーゼ阻害薬である.

方 法

第 1 相用量漸増試験において,CML 患者 60 例と Ph 陽性 ALL 患者 5 例を含む,治療抵抗性造血器腫瘍患者 81 例を登録した.ポナチニブは 2~60 mg を 1 日 1 回投与した.追跡期間中央値は 56 週(2~140 週)であった.

結 果

用量制限毒性は,リパーゼ値またはアミラーゼ値の上昇,膵炎などであった.有害事象は,発疹,骨髄抑制,全身症状が高頻度に認められた.Ph 陽性患者では,91%が承認されているチロシンキナーゼ阻害薬 2 種類以上の投与を受け,51%が 3 種類すべての投与を受けていた.慢性期 CML 患者 43 例では,98%で血液学的完全寛解,72%で細胞遺伝学的寛解,44%で分子生物学的寛解が得られた.慢性期 CML で T315I 変異を有する 12 例では,100%で血液学的完全寛解,92%で細胞遺伝学的寛解が得られた.慢性期 CML で検出可能な変異のない 13 例では,100%で血液学的完全寛解,62%で細胞遺伝学的寛解が得られた.慢性期 CML 患者における寛解は持続された.移行期 CML 患者,急性転化期 CML 患者,および Ph 陽性 ALL 患者の計 22 例では,36%で血液学的寛解,32%で細胞遺伝学的寛解が得られた.

結 論

ポナチニブには,BCR-ABL T315I 変異を有する患者,他の変異を有する患者,また変異のない患者を含む,チロシンキナーゼ阻害薬に耐性を示す Ph 陽性白血病で集中的な治療歴のある患者において,高い活性が認められた.(Ariad Pharmaceuticals 社ほかから研究助成を受けた. ClinicalTrials.gov 番号:NCT00660920)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 367 : 2075 - 88. )