The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

August 9, 2012 Vol. 367 No. 6

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

関節リウマチに対するトファシチニブ単剤療法のプラセボ対照試験
Placebo-Controlled Trial of Tofacitinib Monotherapy in Rheumatoid Arthritis

R. Fleischmann and Others

背景

トファシチニブ(tofacitinib)(CP-690,550)は,新規の経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬で,関節リウマチに対する標的免疫調節薬,および疾患修飾療法として研究されている.

方 法

6 ヵ月間の第 3 相二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験において,患者 611 例を,トファシチニブ 5 mg を 1 日 2 回投与する群,トファシチニブ 10 mg を 1 日 2 回投与する群,プラセボを 3 ヵ月間投与した後トファシチニブ 5 mg を 1 日 2 回投与する群,プラセボを 3 ヵ月間投与した後トファシチニブ 10 mg を 1 日 2 回投与する群に,4:4:1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,3 ヵ月の時点で評価した,米国リウマチ学会基準で 20%以上の改善(ACR 20)が認められた患者の割合,健康評価質問票の機能障害指数(HAQ-DI)スコア(0~3 で,スコアが高いほど障害が大きい)のベースラインからの変化,赤血球沈降速度に基づく 28 関節疾患活動性スコア(DAS28-4 [ESR])(0~9.4 で,スコアが高いほど疾患活動性が高い)が 2.6 未満の患者の割合とした.

結 果

3 ヵ月の時点で,ACR 20 を満たした患者の割合は,トファシチニブ群のほうがプラセボ群よりも高かった(トファシチニブ 5 mg 群 59.8%,トファシチニブ 10 mg 群 65.7% 対 プラセボ 2 群を合わせて 26.7%;両比較について P<0.001).HAQ-DI スコアのベースラインからの低下は,トファシチニブ 5 mg 群と 10 mg 群のほうがプラセボ群よりも大きかった(それぞれ -0.50 ポイント,-0.57 ポイント 対 -0.19 ポイント;P<0.001).DAS28-4(ESR)が 2.6 未満の患者の割合は,トファシチニブ群のほうがプラセボ群よりも高かったが有意差は認められなかった(トファシチニブ 5 mg 群 5.6%,10 mg 群 8.7%,プラセボ群 4.4%;それぞれの比較について P=0.62,P=0.10).トファシチニブ投与患者では重篤な感染症が 6 例に発生した.頻度の高い有害事象は頭痛と上気道感染症であった.トファシチニブ治療は,低比重リポ蛋白コレステロール値の上昇と好中球数の減少に関連した.

結 論

活動性関節リウマチの患者において,トファシチニブ単剤療法は,関節リウマチの徴候・症状の軽減と,身体機能の改善に関連した.(Pfizer 社から研究助成を受けた.ORAL Solo ClinicalTrials.gov 番号:NCT00814307)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 367 : 495 - 507. )