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April 11, 2013 Vol. 368 No. 15

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縦隔原発 B 細胞リンパ腫に対する用量調節 EPOCH+リツキシマブ療法
Dose-Adjusted EPOCH-Rituximab Therapy in Primary Mediastinal B-Cell Lymphoma

K. Dunleavy and Others

背景

縦隔原発 B 細胞リンパ腫は,結節硬化型ホジキンリンパ腫と密接に関連するびまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫の,明確な特徴をもつ亜型の一つである.患者は通常若年で,受診時には大きな縦隔腫瘤が認められる.標準治療はないものの,免疫化学療法単独では不十分であるため,縦隔照射による強化療法がルーチンに行われており,これは重篤な晩期副作用をもたらす可能性がある.この研究の目的は,治癒率を向上させ,放射線療法の必要性をなくす戦略を構築することである.

方 法

単一群第 2 相前向き研究において,未治療の縦隔原発 B 細胞リンパ腫患者 51 例を対象に,放射線療法を併用せず,用量調節エトポシド/ドキソルビシン/シクロホスファミド/ビンクリスチン/プレドニゾン(prednisone)+リツキシマブ(DA-EPOCH-R)と,フィルグラスチムの注入を行った.別の施設で行われた DA-EPOCH-R の後ろ向き研究の結果を用いて,独立に転帰を確認した.

結 果

患者の年齢中央値は 30 歳(19~52 歳)であり,腫瘍径の中央値は 11 cm で,59%が女性であった.追跡期間中央値 5 年で,無イベント生存率は 93%,全生存率は 97%であった.別の施設での後ろ向き解析の対象となった 16 例では,追跡期間中央値 3 年での無イベント生存率は 100%で,放射線療法を受けた患者はいなかった.いずれの患者にも晩期合併症や心毒性作用は認められなかった.10 ヵ月から 14 年にわたる追跡調査後,DA-EPOCH-R 単独療法を受けた 51 例のうち,2 例(4%)を除く全例が完全寛解にあった.残りの 2 例は放射線療法を受け,追跡調査の時点で無病であった.

結 論

縦隔原発 B 細胞リンパ腫の患者に対する DA-EPOCH-R 療法により,放射線療法の必要性がなくなった.(米国国立がん研究所から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00001337)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 368 : 1408 - 16. )