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January 24, 2013 Vol. 368 No. 4

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米国における 21 世紀の喫煙の害と禁煙の利益
21st-Century Hazards of Smoking and Benefits of Cessation in the United States

P. Jha and Others

背景

1980 年代の研究からの推定では,喫煙は米国における 35~69 歳の男女の死亡の 25%の原因であることが示されている.さまざまな年齢における現在の喫煙リスクと禁煙の利益について,全米を代表する指標は得られていない.

方 法

全米健康聞取り調査において,1997~2004 年に聞取りを受けた 25 歳以上の女性 113,752 人と男性 88,496 人の喫煙歴と禁煙歴を入手し,それらのデータを 2006 年 12 月 31 日までに発生した死亡(女性 8,236 例,男性 7,479 例)の原因と関連付けた.現在喫煙者の,喫煙歴のない人と比較した死亡に関するハザード比は,年齢,教育水準,肥満度,アルコール摂取で補正した.

結 果

25~79 歳の参加者において,現在喫煙者の全死因死亡率は,喫煙歴のない人の約 3 倍であった(女性のハザード比 3.0,99%信頼区間 [CI] 2.7~3.3;男性のハザード比 2.8,99% CI 2.4~3.1).喫煙者における超過死亡の多くは,腫瘍性,血管系,呼吸器系,および喫煙により引き起こされる可能性がある他の疾患によるものであった.25 歳から 79 歳まで生存する確率は,喫煙歴のない人では現在喫煙者の約 2 倍高かった(女性 70% 対 38%,男性 61% 対 26%).現在喫煙者では,平均余命は喫煙歴のない人と比較して 10 年以上短かった.25~34 歳で禁煙した人,35~44 歳で禁煙した人,45~54 歳で禁煙した人は,喫煙を継続した人と比較して,平均余命がそれぞれ 10 年,9 年,6 年長かった.

結 論

喫煙者では,喫煙歴のない人と比較して平均余命が 10 年以上短縮する.40 歳までに禁煙すると,継続的喫煙に関連する死亡リスクは約 90%低下する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 368 : 341 - 50. )