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January 3, 2013 Vol. 368 No. 1

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C 型肝炎に対する経口併用抗ウイルス療法の予備的研究
Exploratory Study of Oral Combination Antiviral Therapy for Hepatitis C

F. Poordad and Others

背景

C 型肝炎ウイルス(HCV)感染に対して,インターフェロンを用いない治療レジメンが必要とされている.この研究の目的は,HCV 感染の治療として,非ヌクレオシド系 NS5B ポリメラーゼ阻害薬 ABT-333 とリバビリンに,強力な HCV NS3 プロテアーゼ阻害薬 ABT-450 を低用量リトナビルとともに併用する治療(ABT-450/r)を評価することである.

方 法

肝硬変のない HCV 遺伝子型 1 型感染患者を対象に,12 週間の第 2a 相非盲検研究を行った.全患者に ABT-333(400 mg 1 日 2 回),リバビリン(1,000~1,200 mg/日)と,ABT-450/r を 2 種類の 1 日量のいずれかで投与した.第 1 群と第 2 群は,未治療患者であった.第 1 群には ABT-450 250 mg とリトナビル 100 mg を投与し,第 2 群にはそれぞれ 150 mg,100 mg を投与した.過去のペグインターフェロンとリバビリンによる治療では効果がなかったか,部分的であった患者から成る第 3 群には,ABT-450 を 1 日 150 mg とリトナビル 100 mg を投与した.主要エンドポイントは,4 週目から 12 週目まで HCV RNA が検出されないこと(早期ウイルス陰性化の持続 [extended rapid virologic response:eRVR])とした.

結 果

第 1 群の 19 例中 17 例(89%)と第 2 群の 14 例中 11 例(79%)で eRVR が認められた.治療終了後 12 週の時点でウイルス排除(sustained virologic response:SVR)を達成していた患者は,それぞれ 95%,93%であった.第 3 群では,eRVR は 17 例中 10 例(59%)に認められ,治療後 12 週の時点で SVR が認められたのは 8 例(47%)であった.この群では 6 例がウイルス再燃(virologic breakthrough)をきたし,3 例で再発した.有害事象は,肝機能検査値異常,倦怠感,悪心,頭痛,めまい,不眠,瘙痒,発疹,嘔吐などがみられた.

結 論

今回の予備的研究から,HCV 遺伝子型 1 型感染には,プロテアーゼ阻害薬,非ヌクレオシド系ポリメラーゼ阻害薬,およびリバビリンを併用した 12 週間の治療が有効である可能性が示唆される.(Abbott 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT01306617)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 368 : 45 - 53. )