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February 14, 2013 Vol. 368 No. 7

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幼児におけるヒトメタニューモウイルス感染の負担
Burden of Human Metapneumovirus Infection in Young Children

K.M. Edwards and Others

背景

幼児におけるヒトメタニューモウイルス(HMPV)感染が,入院・外来にどの程度の負担をかけているかは十分に検証されていない.

方 法

2003~09 年に,米国の 3 つの郡で,5 歳未満の入院・外来患児における急性呼吸器疾患または発熱について,前向き住民ベースサーベイランスを行った.臨床データと人口統計データを保護者と診療録から入手し,逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法によって HMPV を検出し,住民ベースの HMPV 感染関連入院率と推定外来受診率を求めた.

結 果

HMPV は,入院した 3,490 例中 200 例(6%),外来を受診した 3,257 例中 222 例(7%),救急部を受診した 3,001 例中 224 例(7%),無症状の対照 770 例中 10 例(1%)で検出された.HMPV 感染に関連した全体的な年間入院率は,5 歳未満児 1,000 人あたり 1 例,生後 6 ヵ月未満児 1,000 人あたり 3 例,生後 6~11 ヵ月児 1,000 人あたり 2 例であった.HMPV 感染があり入院した児は,HMPV 感染がなく入院した児と比較して,年齢が高く,肺炎または喘息と診断される確率が高く,酸素補給を必要とする確率が高く,集中治療室により長く滞在する確率が高かった.HMPV 感染に関連した外来受診の推定年間負担は,小児 1,000 人あたり外来受診 55 例,救急部受診 13 例であった.HMPV 陽性の入院・外来患児の大多数には基礎疾患がなかったが,HMPV 感染があり入院した児では,HMPV 感染がなく入院した児と比較して,早産と喘息の頻度が高かった.

結 論

HMPV 感染は,小児が 5 歳になるまで,とくに生後 1 年間の入院と外来受診の多大な負担に関連している.HMPV 感染児のほとんどは,それまで健康であった.(米国疾病対策予防センター,米国国立衛生研究所から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 368 : 633 - 43. )