The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

November 21, 2013 Vol. 369 No. 21

中国新疆におけるポリオの集団発生の確認と制御
Identification and Control of a Poliomyelitis Outbreak in Xinjiang, China

H.-M. Luo and Others

背景

中国固有の野生型ポリオウイルスの最後の感染症例が 1994 年に報告され,2000 年に中国はポリオ根絶地域に認定された.2011 年,輸入野生型ポリオウイルスへの集団感染が新疆ウイグル自治区で発生した.

方 法

集団発生への対応を指導するための調査,感染源特定のためのポリオウイルス 1 型カプシド蛋白 VP1 の塩基配列決定,ウイルス伝播リスクを評価するための血清学的調査とワクチン接種率調査を行った.症例確認を促進するため,急性弛緩性麻痺のサーベイランスを強化した.

結 果

2011 年 7 月 3 日~10 月 9 日に,研究者らは新疆南部において,野生型ポリオウイルス感染症例 21 例と臨床的に合致する症例 23 例を同定した.急性弛緩性麻痺患者と接触した 673 例中 14 例(2.1%)と,接触しなかった健常者 491 例中 13 例(2.6%)から野生型ポリオウイルス 1 型が分離された.塩基配列解析から,集団発生の原因として,パキスタン由来の輸入野生型ポリオウイルスが示唆された.集団発生が確認された後,新疆では公衆衛生上の緊急事態が宣言された.急性弛緩性麻痺のサーベイランスが強化され,すべての公私立病院が連日症例を報告した.小児と成人を対象に弱毒化ポリオウイルス経口生ワクチン(OPV)の接種が 5 回行われ,計 4,300 万回接種された.三価 OPV が 3 回,一価 OPV 1 型が 2 回使用された.この集団発生は,発端症例が検査で確認されてから 1.5 ヵ月後に終息した.

結 論

中国における 2011 年のポリオの集団発生により,世界のどこかでポリオウイルスが流行している限りは,根絶国にも依然として集団発生のリスクがあることが示された.ポリオの世界的根絶が達成されれば,現在の根絶国を含むすべての国が利益を得る.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 369 : 1981 - 90. )