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July 25, 2013 Vol. 369 No. 4

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肺動脈性肺高血圧症の治療のためのリオシグアト
Riociguat for the Treatment of Pulmonary Arterial Hypertension

H.-A. Ghofrani and Others

背景

可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬であるリオシグアト(riociguat)は,第 2 相試験で肺動脈性肺高血圧症(PAH)の治療に有益であることが示されている.

方 法

第 3 相二重盲検試験において,症候性 PAH 患者 443 例を,プラセボを投与する群,リオシグアト 2.5 mg 1 日 3 回を最大として個別に用量調節して投与する群(最大 2.5 mg 群),リオシグアト 1.5 mg 1 日 3 回を上限として個別に用量調節して投与する群(最大 1.5 mg 群)のいずれかに無作為に割り付けた.最大 1.5 mg 群は予備的な目的で設けたもので,この群のデータは記述的に解析した.PAH に対する他の治療を受けていない患者と,エンドセリン受容体拮抗薬またはプロスタノイド(静注以外)を投与されている患者を適格とした.主要評価項目は,6 分間歩行距離のベースラインから 12 週目の終わりまでの変化とした.副次的評価項目は,肺血管抵抗の変化,脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体 N 端フラグメント(NT-proBNP)濃度,世界保健機関(WHO)機能分類,臨床的増悪までの期間,ボルグ呼吸困難スケールでのスコア,QOL 変数,安全性とした.

結 果

12 週目までに,6 分間歩行距離は最大 2.5 mg 群では平均 30 m 増加し,プラセボ群では平均 6 m 減少した(最小二乗平均の差 36 m,95%信頼区間 20~52,P<0.001).事前に規定したサブグループ解析では,リオシグアトによって,PAH に対する他の治療を受けていない患者と,エンドセリン受容体拮抗薬またはプロスタノイドを投与されている患者の両方で 6 分間歩行距離が改善したことが示された.肺血管抵抗(P<0.001),NT-proBNP 濃度(P<0.001),WHO 機能分類(P=0.003),臨床的増悪までの期間(P=0.005),ボルグ呼吸困難スコア(P=0.002)に有意な改善が認められた.プラセボ群と最大 2.5 mg 群でもっとも高頻度に認められた重篤な有害事象は,失神であった(それぞれ 4%,1%).

結 論

リオシグアトによって,PAH 患者の運動耐容能と副次的有効性評価項目が有意に改善した.(Bayer HealthCare 社から研究助成を受けた.PATENT-1 ClinicalTrials.gov 番号:NCT00810693,PATENT-2 ClinicalTrials.gov 番号:NCT00863681)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 369 : 330 - 40. )