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August 22, 2013 Vol. 369 No. 8

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潰瘍性大腸炎に対する寛解導入および維持療法としてのベドリズマブ
Vedolizumab as Induction and Maintenance Therapy for Ulcerative Colitis

B.G. Feagan and Others

背景

ベドリズマブ(vedolizumab)によって腸管へのリンパ球の遊走を選択的に遮断することが,潰瘍性大腸炎に対する有効な治療となる可能性がある.

方 法

活動期潰瘍性大腸炎患者を対象に,ベドリズマブに関する 2 つの統合的無作為化二重盲検プラセボ対照試験を行った.寛解導入療法試験では,374 例(コホート 1)に 0 週目と 2 週目にベドリズマブ(用量 300 mg)またはプラセボを静脈内投与し,521 例(コホート 2)に非盲検下で 0 週目と 2 週目にベドリズマブを投与し,6 週の時点で疾患を評価した.寛解維持療法試験では,両コホートで 6 週の時点でベドリズマブが有効であった患者を,ベドリズマブを継続して 8 週ごとに投与する群,4 週ごとに投与する群,プラセボに切り替える群のいずれかに無作為に割り付け,最長 52 週間投与した.効果の定義は,Mayo Clinic スコア(0~12 で,スコアが高いほど疾患の活動性が高いことを示す)がベースラインから 3 点以上かつ 30%以上低下し,直腸出血のサブスコアが 1 点以上低下,あるいは直腸出血の絶対的サブスコアが 0 点または 1 点であることとした.

結 果

6 週の時点での有効率は,ベドリズマブ群 47.1%,プラセボ群 25.5%であった(層別化因子で補正後の差 21.7 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] 11.6~31.7,P<0.001).52 週の時点で,臨床的寛解(Mayo Clinic スコアが 2 点以下で,1 点を超えるサブスコアなし)にあった患者の割合は,ベドリズマブを継続して 8 週ごとに投与した群で 41.8%,4 週ごとに投与した群で 44.8%であったのに対し,プラセボに切り替えた群では 15.9%であった(補正後の差は,ベドリズマブを 8 週ごとに投与した群 対 プラセボ群で 26.1 パーセントポイント [95% CI 14.9~37.2,P<0.001],4 週ごとに投与した群 対 プラセボ群で 29.1 パーセントポイント [95% CI 17.9~40.4,P<0.001]).有害事象の頻度は,ベドリズマブ群とプラセボ群とで同程度であった.

結 論

ベドリズマブは,潰瘍性大腸炎に対する寛解導入および維持療法として,プラセボよりも有効であった.(Millennium Pharmaceuticals 社から研究助成を受けた.GEMINI 1 ClinicalTrials.gov 番号:NCT00783718)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 369 : 699 - 710. )