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August 29, 2013 Vol. 369 No. 9

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急性静脈血栓塞栓症治療に用いる経口アピキサバン
Oral Apixaban for the Treatment of Acute Venous Thromboembolism

G. Agnelli and Others

背景

固定用量で投与される経口第 Xa 因子阻害薬アピキサバンによって,静脈血栓塞栓症の治療が簡便化される可能性がある.

方 法

無作為化二重盲検試験において,急性静脈血栓塞栓症患者 5,395 例を対象に,アピキサバン(10 mg を 1 日 2 回 7 日間投与し,その後 5 mg を 1 日 2 回 6 ヵ月間投与)を,従来の治療法(エノキサパリンを皮下投与し,その後ワルファリンを投与)と比較した.主要有効性転帰は,症候性静脈血栓塞栓症の再発または静脈血栓塞栓症に関連する死亡とした.主要安全性転帰は,重大な出血単独,および重大な出血と重大ではないが臨床的に重要な出血の複合とした.

結 果

主要有効性転帰は,アピキサバン群では 2,609 例中 59 例(2.3%)に発生したのに対し,従来治療群では 2,635 例中 71 例(2.7%)に発生した(相対リスク 0.84,95%信頼区間 [CI] 0.60~1.18;リスクの差 [アピキサバン-従来治療] -0.4 パーセントポイント,95% CI -1.3~0.4).事前に規定した 95%信頼区間上限からみて,相対リスク(<1.80),リスクの差(<3.5 パーセントポイント)のいずれについても,アピキサバンは従来の治療法に対して非劣性であった(P<0.001).重大な出血は,アピキサバン群の 0.6%と従来治療群の 1.8%に発生した(相対リスク 0.31,95% CI 0.17~0.55,優越性について P<0.001).重大な出血と重大ではないが臨床的に重要な出血の複合転帰は,アピキサバン群では 4.3%に発生したのに対し,従来治療群では 9.7%に発生した(相対リスク 0.44,95% CI 0.36~0.55,P<0.001).その他の有害事象の発生率は,両群で同程度であった.

結 論

急性静脈血栓塞栓症の治療において,固定用量のアピキサバン単独のレジメンは従来の治療法に対して非劣性であり,出血が有意に少ないことに関連した.(Pfizer 社,Bristol-Myers Squibb 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00643201)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 369 : 799 - 808. )